科目ナンバー
11A2102
科目名
代謝生化学
担当教員名・資格
司馬 肇【特任教授】 新井 直人【准教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
学科指定無し
履修条件
核酸、蛋白質、糖質、脂質の構造と特性に関する基礎知識が必要である。「生物有機化学」、「核酸・蛋白質概論」、「酵素科学」を履修していることが必要である。
授業の概要
生体内における核酸、蛋白質、糖質、脂質の代謝(生合成と分解)過程について解説し、同化と異化、エネルギーの獲得について講述する。
学びのキーワード
生体物質、代謝、同化、異化、電子伝達鎖、エネルギーの獲得、解糖系、TCA回路、脂質のβ-酸化
授業の目的
生物体における物質(核酸、蛋白質、糖質、脂質)の同化と異化、エネルギーの獲得について理解を深めるために、解糖系、糖新生、脂質、核酸の合成と分解について講義し、エネルギーの収率の計算を行う。
授業方法
対面授業では担当教員が作成したパワーポイントのスライドをスクリーンに投影して行う。
第1回〜第11回は司馬が担当する。代謝の基本概念、糖質と脂質の代謝に関する基礎知識を説明し、学生が復習しやすいように要点はどこなのかということを指摘する。
第12回〜第14回(核酸の代謝)は新井が担当する。担当教員が作成したパワーポイントのスライドを教材とする。同じ内容ののスライド(pdf)をダウンロードして確認する。

学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 第1目標:最初の5回の授業で、代謝の基本概念、自由エネルギー、標準自由エネルギー、酸化的リン酸化、電子伝達鎖、代謝制御について理解し、説明できるようにする。
  • 第2目標:6から8回目の授業で、解糖系、TCA回路、糖新生について理解し、説明できるようにする。
  • 第3目標:プリンとピリミジンヌクレオチドの生合成と分解について理解し、共通点と相違点を説明できるようにする。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンス:講義の構成、担当教員、成績評価について説明する。参考書を紹介する。教材のダウンロードについて説明をする。代謝について概説する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。代謝について調べておく。(1時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、代謝に関する基本的な概念をまとめる。(1時間)

120分
2

生体エネルギー学、自由エネルギー、標準自由エネルギー、エネルギー担体としてのATPについて説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。生体エネルギー学についえ調べておく。ATPの構造式を書けるようにする。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、代謝における熱力学の概念をまとめておく。(2時間)

240分
3

生物体におけるエネルギーの獲得について概説する。
ミトコンドリアと電子伝達鎖について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。ミトコンドリア、電子伝達鎖について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、生物体のエネルギー獲得におけるミトコンドリアの役割と重要性についてまとめる。(2時間)

240分
4

酸化的リン酸化について説明する。
化学浸透仮説と膜輸送系について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。酸化的リン酸化と化学浸透仮説について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、ミトコンドリアの膜透過性と膜輸送系についえまとめる。酸化的リン酸化と化学浸透仮説についてまとめる。(2時間)

240分
5

代謝制御について説明する。
解糖系について概説する。
課題レポートの題目をアナウンスし、レポートの形式、提出期限について指示をする。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。代謝制御について調べておく。解糖系について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、生体において代謝がどのように制御されているのかについてまとめる。解糖系の不可逆反応のところに着目し、まとめる。代謝に関わっている物質の構造式かけるようにする。(3時間)

300分
6

好気的条件と嫌気的条件における解糖系の反応について説明する。
解糖系におけるエネルギーの収率と内分泌制御について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。解糖系における好気的条件と嫌気的条件の反応について調べておく。解糖系におけるエネルギーの収率を自分で計算してみる。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、好気的条件と嫌気的条件における解糖系の反応とエネルギー収率についてまとめておく。(2時間)

240分
7

これまでの授業内容に対する理解度を確認するために、筆記試験(試験時間20分)を行う。
TCA回路について概説する。
TCA回路の反応、調節、エネルギーの収率について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。TCA回路について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、TCA回路の反応、調節機構、エネルギー収率についてまとめておく(3時間)

300分
8

糖新生(gluconeogenesis)とグリコーゲンの分解について説明する。

準備学習:指定webサイトから資料PDF化した資料をダウンロードし、調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、解糖系の不可逆的な反応ステップに注目し、糖新生ではどのように回避されているのかについてまとめる。(3時間)

300分
9

脂質の基本構造と代謝の概略について説明する。食物由来の脂質の消化と吸収について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。脂質の基本構造について調べておく。脂質の分解と吸収について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、脂質代謝の概略をまとめておく。食物由来の脂質の消化と吸収、消化の調節についてまとめる。(2時間)

240分
10

脂肪酸の代謝について概説する。
生物体における脂肪酸のとトリアシルグリセロール(TAG)の生合成について説明する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。脂肪酸の分解と生合成について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、TAGの生合成についてまとめる。(3時間)

300分
11

これまでの授業内容に対する理解度を確認するために、筆記試験(試験時間20分)を行う。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分解(αー酸化、βー酸化)について説明する。エネルギーの収率について計算する。

準備学習:指定webサイトからPDF化した資料をダウンロードし、内容を確認する。脂質の分解について調べておく。(2時間)
復習:ダウンロードした資料を参考にして、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分解反応についてまとめ、エネルギーの収率について計算をする。(3時間)

300分
12

核酸の構造と構成単位(ヌクレオチド)と核酸成分を含む生体内物質について述べ、ヌクレオチドの代謝について概説する。。

準備学習:核酸の構成単位と核酸成分を調べておく。(1時間)
復習:核酸の構成成分の名称と生合成系の種類と共通点についてまとめる。(2時間)

180分
13

生物体における核酸の代謝:プリンヌクレオチドの生合成(de novo、サルベージ経路)と分解について説明する。

準備学習:指定webサイトから資料をプリントして内容を確認し、プリンヌクレオチドの生合成と分解について予習し、疑問点を上げておく。(1時間)
復習:プリンヌクレオチドの生合成と分解についてについて復習し、ノートにまとめ、予習での疑問点
の回答を整理しておく。(2時間)

180分
14

生物体における核酸の代謝:ピリミジンヌクレオチドの生合成と分解について説明する。

準備学習:指定webサイトから資料をプリントして内容を確認し、ピリミジンヌクレオチドの生合成と分解について予習し、疑問点を上げておく。(1時間)
復習:ピリミジンヌクレオチドの生合成と分解について復習し、ノートにプリンヌクレオチドの代謝との違いについてまとめ、予習での疑問点
の回答を整理しておく。(2時間)

180分
15

これまでの学習内容の確認

準備学習:今まで学んできた内容をまとめる。(3時間)
復習:不明な点をチャックし、理解できるようまとめる。(1時間)

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
第1目標:最初の5回の授業で、代謝の基本概念、自由エネルギー、標準自由エネルギー、酸化的リン酸化、電子伝達鎖、代謝制御について理解し、説明できるようにする。
対面授業では、中間試験、課題レポート、期末筆記試験を用いて授業内容の理解度を確認する。


第2目標:6から8回目の授業で、解糖系、TCA回路、糖新生について理解し、説明できるようにする。
対面授業では、中間試験、課題レポート、期末筆記試験を用いて授業内容の理解度を確認する。
第3目標:プリンとピリミジンヌクレオチドの生合成と分解について理解し、共通点と相違点を説明できるようにする。
対面授業では、中間試験、課題レポート、期末筆記試験を用いて授業内容の理解度を確認する。
成績評価基準・割合
(司馬)糖質、脂質の代謝に関する理解度を評価する。対面授業では、中間試験(20%)、 課題レポート(20%)、期末筆記試験(40%)で総合評価する。
(新井)核酸の代謝に関する理解度を評価する。対面授業では、小テスト(10%)、期末筆記試験 (10%)で総合評価する。
司馬と新井の総合評価の合計が60%以上であれば合格とする。
フィードバックの方法
(司馬)対面授業では、課題レポートを出すことで授業内容の復習を行う。その後の中間試験によって授業内容の理解度を確認する。レポートと中間試験の要点を解説し、必要に応じて個人に学習方法に関するアドバイスをする。
(新井)対面授業授業では、小テストと筆記試験によって授業内容の理解度を確認する。



教科書
担当教員が作成したパワーポイント(スライドとmp4動画)を教材とする。
講義で使用するスライドをPDF化し、Google Classroomで閲覧可能とする(司馬)。
GoogleClassroomでスライドをpdfで閲覧可能とする(新井)。

参考書
参考書:リッピンコット イラストレイテッド生化学(丸善出版)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/09/22
  • 終了期間

    2024/01/19
  • 開始時間

    • 14:30
  • 終了時間

    • 18:30
  • 曜日

  • 場所

    4号館3階 核酸・蛋白質科学研究室 A(司馬)、核酸・蛋白質科学研究室 B(新井)

備考

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メールを用いた質問は随時受け付ける。
科目の特徴
備考
参考書: 最初の授業で紹介する。