科目ナンバー
31B1107
科目名
ゲノム生物学
担当教員名・資格
新井 直人【准教授】 舛廣 善和【准教授】 土屋 徳司【専任講師】
単位数
2
配当年次
1年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
学科指定無し
履修条件
分子生物学を履修していること。
授業の概要
ゲノムとは生物がもつすべての遺伝情報のことを意味し、生物の構造と機能は基本的にはゲノムのDNAによって決められる。したがっ て、ゲノムの基本構造を知ることは多様な生命現象を理解するための基礎となり、不可欠である。本講義では、まず遺伝情報の総体としてのゲノム構造の一般的特性から始まり、遺伝情報の複製・発現、ゲノム情報の維持などについて講義する。さらに、ゲノム情報をどのように解析し応用するかという視点から、ゲノム情報解析の意義と方法についても学ぶ。講義形式で実施し、3名の教員で担当し、3クラスを開講する。
学生の質問に対しては講義終了後、またはオフィスアワーを設けて回答する。講義内容の理解を深めるため、小テスト、課題研究を実施し、解説する。
学びのキーワード
ゲノム、DNA、RNA、転写、翻訳、複製、修復、組換え、多型、染色体、クロマチン、ゲノム解析
授業の目的
遺伝情報の総体としてのゲノム構造の一般的特性から、遺伝情報の複製・発現などについて講義する。さらに、ゲノム情報をどのように解析し応用するかという視点から、ゲノム情報解析の意義と方法の学修を目的とする。
授業方法
3つのグループに分けて、3名の教員が同じ内容を講義する。
指定した共通の教科書をもとに、担当教員が作成したパワーポイントのスライドをスクリーンに投影して授業を行う。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • ゲノム構造と遺伝情報の複製、発現について原核生物と真核生物の違いも含めて理解し、説明ができる。
  • ゲノム情報の解析の意義と方法について理解し、説明できる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ゲノム生物学の勃興:分子生物学からゲノム生物学へ
ゲノムとは何かについて、原核生物と真核生物のゲノムの違いについて概説する。

準備学習:分子生物学を復習しておく
復習:再確認し、ノートを整理しておく。

180分
2

遺伝子の構造機能(1):ゲノムDNAの複製
原核生物と真核生物の違いについても着目して解説する。

準備学習:分子生物で学んだDNA複製について復習しておく。
復習:原核生物と真核生物のゲノムDNAの複製についてまとめて整理する。

240分
3

遺伝子の構造機能(2):DNA情報発現
ゲノムDNAからのRNAの合成、修飾、翻訳について原核生物と真核生物の違いに着目して解説する。

準備学習:分子生物で学んだ転写翻訳について復習して疑問点を上げておく。
復習:原核生物と真核生物の転写、翻訳の違い、真核生物の転写制御についてまとめて整理する。

240分
4

ゲノム情報(1):分子生物学のゲノムへの挑戦
ゲノムを解析するためにそのような試みが成されてきたかを概説する。

準備学習:分子生物で学んだゲノムについて確認しておく。
復習:講義内容を確認して興味のあるところ知りたいところをまとめて整理する。

240分
5

ゲノム情報(2):DNA構造の解読
DNAの構成成分と構造について解説し、どのように解読されたかを解説する。

分子生物で学んだDNAの構造について復習しておく。
復習:DNA構造の解読についての授業内容をまとめて整理する。

240分
6

ゲノム情報(3):ゲノム情報の解読
ゲノム情報はDNAの塩基配列により決まる。塩基配列の解読について解説する。

準備学習:DNAの塩基配列の決定方法について調べておく。
復習:講義内容を確認して塩基配列決定方法の原理を中心にまとめて整理する。

240分
7

ゲノム情報(4):ゲノムの全遺伝情報
ゲノムの遺伝情報について、遺伝子とそれ以外のる反復配列などや遺伝子の重複などを含めて解説する。

準備学習:遺伝子情報について復習しておく。
復習:講義内容のゲノムDNAの遺伝子と遺伝情報を含まないゲノム上の配列についてまとめて整理する。

240分
8

ポストゲノム(1):オミクス解析
オミクス(ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス)解析について説明する。

準備学習:オミクスという言葉について調べておく。
復習:ゲ講義内容のノムを解析するためのオミクスについてどのようなものなのかまとめて整理する。

240分
9

ポストゲノム(2):次世代シーケンス解析
ゲノムの遺伝情報(塩基配列)の決定と遺伝データベースを用いた解析について説明する。

準備学習:DNAの塩基配列決定方法について再確認しておく。
復習:講義内容のゲノムの塩基配列を決定していく新たな手法についてまとめて整理する。

240分
10

ゲノムの構造機能(1):機能的RNAとノンコーディングRNAによる転写や翻訳制御、細胞の調節への役割について説明する。

準備学習:これまで学んだRNAの種類と機能について確認しておく。
復習:講義内容の機能的RNAとノンコーディングRNAについてどのような役割があるのかまとめて整理する。

240分
11

ゲノムの構造機能(2):エピジェネティックスの概要
DNAの塩基配列以外のクロマチン状態の変化などによる遺伝子発現について概説する。

準備学習:遺伝子の発現についてこれまで学んだことを確認しておく。
復習:講義内容のエピジェネティックスについてまとめて整理する。

240分
12

ゲノムの構造機能(3):真核生物の染色体(ヒストンとクロマチン構造)の階層構造について説明する。

準備学習:真核生物の染色体とDNAについて確認しておく。
復習:講義内容の真核生物の染色体の階層構造についてまとめて整理する。

240分
13

ゲノムの構造機能(4):原核生物の核様体について概説する。

準備学習:原核生物のDNAについて確認しておく。
復習:講義内容の原核生物の核様体と染色体の違いについてまとめて整理する。

240分
14

ゲノムの構造機能(5):エピジェネティックスの分子機構について例をあげて概説する。

準備学習:エピジェネティックスと何かを確認しておく。
復習:講義内容になったエピジェネティックスとはどのような機構なのかをまとめて整理する。

240分
15

これまでの学習内容の確認および小テスト、課題研究の解説

準備学習:これまでの授業内容についてまとめたものを再確認しておく。
復習:小テストのできなかったことの再確認
課題研究に取り組みレポートのまとめる。

300分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
ゲノム構造と遺伝情報の複製、発現について原核生物と真核生物の違いも含めて理解し、説明ができる。
小テストにより理解度を評価し、課題研究レポートにより説明できるかを評価する。
ゲノム情報の解析の意義と方法について理解し、説明できる。
小テストにより理解度を評価し、課題研究レポートにより説明できるかを評価する。
成績評価基準・割合
小テスト(60点)、課題研究レポート(40点)を総合的に評価し、合計点60点以上で合格とする。
フィードバックの方法
小テストと期末筆記試験の回答について解説し、不十分であった点の理解を促す。レポートなどの課題を出すことで授業内容の理解度の確認を行う。授業の内容や課題などについて、教員への訪問またはGoogle Classroomを通じて個々に質問に対応し、必要に応じて学習方法に関するアドバイスをする。
教科書
授業内で参考書の内容から必要に応じて配布する。
参考書
「細胞の分子生物学」 第6版(著者:B.アルバート・A.ジョンソン・J.レービン・D.モーガン・M.ラフ・K.ロバーツ・P.ウォルター 監訳:中村桂子・松原謙一、ニュートンプレス)
「基礎分子生物学」 第4版 (著者:田村隆明・村松正實、東京化学同人)
「ゲノム4」(著者:T. A. ブラウン・監訳:石川冬木・中山潤一、メディカル・サイエンス・インターナショナル)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/09/21
  • 終了期間

    2024/01/18
  • 開始時間

    • 16:10
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    4号館3階の担当教員の研究室(備考参照)

備考

担当教員
新井: 4号館3階 核酸・蛋白質科学研究室B(時間の都合があえば随時対応します)
舛廣: 4号館3階 核酸・蛋白質科学研究室A
土屋: 4号館3階 植物細胞学研究室
科目の特徴
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 海外の大学や公的研究機関、国内の大学や公的研究機関での勤務を経た教員が、その経験に基づき実績的授業を行う。
備考
3つのグループに分けて、3名の教員が同じ内容の講義を行う。