科目ナンバー
32A1105
科目名
動物遺伝学
担当教員名・資格
岸田 拓士【教授】
単位数
2
配当年次
1年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
動物学科のみ履修可能
履修条件
授業の概要
本講義では遺伝情報が親から子へと伝わるしくみの基本原理を理解したのちに,遺伝子の機能やゲノム配列の解析法,細胞生物学の分野で遺伝学が果たしてきた役割などを学習する。動物学分野における基礎研究のみならず,現在は医学・薬学,及び農学分野の応用研究においても遺伝子の機能を利用した研究・開発が必要不可欠となっており,本講義の目標は,遺伝学が動物の生命原理の解明や科学技術の発展のために果たしてきた役割や社会とのつながりを理解することにある。
学びのキーワード
遺伝子、突然変異、DNA、ゲノム、進化
授業の目的
遺伝学は動物学分野における基礎研究のみならず、現在は医学や農学、さらには考古学などの応用分野においても遺伝学の知識が必要不可欠となっている。本講義では、遺伝学とは何か、そして遺伝を担う実体であるゲノムとは何かを理解し、現在のゲノム研究の最先端に触れることを目的とする。
授業方法
スライド・資料・板書による講述
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 遺伝の仕組みやその分子基盤であるDNA・ゲノムを理解する。(第2~6回)
  • 生物集団の遺伝的多様性が創出されるメカニズムを知り、生物保全における遺伝学の重要性を理解する。(第7~13回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

遺伝学とは何か:遺伝学が取り扱う様々な観点について解説する。

次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
2

有性生殖と減数分裂:親の形質が子に伝わるのは、親のもつ染色体が子に受け継がれるからである。倍数性や染色体、親のもつ染色体がどのようにして子に伝わるのか、など遺伝を理解するための基礎知識を解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
3

メンデル遺伝と遺伝子の概念:遺伝の基本単位としての「遺伝子」の概念と、そこから発展したメンデルの遺伝法則について解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
4

遺伝を担う分子基盤:遺伝子と染色体の関係、そして染色体上にあり遺伝を担う分子に関して解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
5

DNAを解読する:遺伝を担うDNA分子の特徴を解説し、DNA分子のもつ特徴をうまくいかしたDNA分子の増幅法や塩基配列法の仕組みについて解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
6

DNAから形態へ:ビードルの「一遺伝子一酵素説」を中心に、DNAからRNAを介してタンパク質が作られ、さらに高次の形態が形成される仕組みを解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
7

生物集団の遺伝学:ある一個体に起きた突然変異はどのようにして集団全体に広まるのか、自然選択と遺伝的浮動に基づく集団遺伝学の基礎を解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
8

複雑な表現型の遺伝:複雑な形質がどのように遺伝するのかを、量的遺伝学の観点から解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
9

DNA塩基配列の進化:分子進化の中立説など分子レベルから見た生物進化の基礎を解説し、遺伝子重複など分子レベルでの重要な事象に関して解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
10

分子系統樹:DNA配列や、それを翻訳したタンパク質のアミノ酸配列を種間で比較することで、生物の進化の道筋―系統樹を描くことができる。こうした系統樹の計算方法や、与えられた系統樹の見方などを解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
11

遺伝学と生物保全:生物の遺伝的多様性や、地理分布と地史との関係などを解説し、遺伝学が生物保全にどのように寄与するのかを解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
12

古代のDNAを読む:古い骨や土壌などから、どのようにしてDNAを得るのか。古代DNAは、考古学や進化生物学をどう変えたのか。多くの研究事例をもとに、古代DNAの研究の世界を紹介する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
13

新しい時代の集団遺伝学:集団遺伝学は現在、多数個体の少数遺伝子座の解析から、少数個体のゲノム全長の解析へと移行しつつある。ゲノム全長の解析を行う方法を解説し、遺伝学の最先端の世界を紹介する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
14

遺伝学の応用:バイオテクノロジーや法医学など、遺伝学が社会の中でどのように応用されているのかを解説する。

講義後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。次時限の内容に関して、事前に調べておく。

240分
15

まとめ:授業内試験を行い、全回を通した講義内容について総括する。

講義全体を通した内容について、ノートをまとめながら復習、理解する。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
遺伝の仕組みやその分子基盤であるDNA・ゲノムを理解する。(第2~6回)
授業内試験および講義内で課すレポート課題の結果から総合的に評価
生物集団の遺伝的多様性が創出されるメカニズムを知り、生物保全における遺伝学の重要性を理解する。(第7~13回)
授業内試験および講義内で課すレポート課題の結果から総合的に評価
成績評価基準・割合
遺伝の仕組みや遺伝的多様性、ゲノムの進化などに関して正しく理解しているか、課題の結果から総合的に評価する。
フィードバックの方法
必要に応じて講義内またはオンラインで回答する。
教科書
教科書は用いない
参考書
キャンベル生物学 原書11版 (丸善出版)
進化の教科書 全3巻(カール・ジンマー他著、講談社Blue Backs)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/16
  • 終了期間

    2026/01/13
  • 開始時間

    • 10:00
  • 終了時間

    • 16:00
  • 曜日

  • 場所

    6号館 動物生態・保全分野(岸田研究室)

備考

教員メールアドレス:kishida.takushi[at]nihon-u.ac.jp 「(at) は @ に置き換えて下さい」
科目の特徴
備考