科目ナンバー
32A1107
科目名
動物形態学
担当教員名・資格
加野 浩一郎【教授】
単位数
2
配当年次
1年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
動物学科のみ履修可能
履修条件
高校生物基礎および生物履修していることを前提として講義を行うので、以下の項目について予習してから受講すること。生物基礎:生物の特徴、生物の体内環境の維持、生物の多様性と生態系、生物:生命現象と物質、生殖と発生、生物の環境応答
授業の概要
動物形態学は、動物の形と構造を記述および比較することによって、その法則性を追究し、また形態の形成過程を研究する学問である。したがって、動物形態学は動物の生命現象を理解する上で最も重要な学問分野の一つである。本講義は、種々の動物の体を構成する組織および器官の形、さらにそれらの位置、構造および機構について講述する。
学びのキーワード
形態と機能、細胞、組織、器官、器官系、個体、進化、共通性、多様性
授業の目的
動物形態学は、動物の形と構造を記述および比較することによって、その法則性を追究し、また形態の形成過程を研究する学問である。動物生理学と対置されるが、「形と機能」は表裏一体であり、動物形態学を理解する上で生理学を切り離すことは出来ない。したがって、本講義では、単に生体の構造についての知識を累積するのではなく、ある機能をもつにはこのような形をとる必然性について理解することを目標とする。すなわち形と機能(働き)の関連性を理解することに重きを置いた講義を展開したいと考えている。
授業方法
パワーポイントを用いて講義をする。講義の前半に前回講義した内容を復習することによって、出来る限り講義時間内で内容を理解できるように講義を進める。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 動物の体は階層構造となっており、いずれの階層においても生命を維持するための「はたらき」を効率的あるいは効果的に発揮するために必要な「かたち」がつくられていることを実例を挙げながら説明できる。(第1〜15回)
  • 種々の動物の体を構成する各器官系の「かたち」と「はたらき」について図示し、説明できる。各器官系の相互作用によって恒常性の維持機能が保たれていることを説明できる。(第2〜14回)
  • 動物学を学ぶ上で、動物形態学の意義と重要性について明確に説明できる。(第1〜15回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

「動物における分類と形態の多様性」
動物分類学と形態学、動物の体の構造と機能を理解する意義について

準備学習:物質と生命の違いについて考える。生物に限らず物体の「かたち」と「はたらき」の関係性について考えてみる。
復習:動物における相同器官と相似器官について調べる。

240分
2

骨格系1:骨の構造と機能について。骨は軽いのに丈夫である理由とは?、動物が骨格系を構築する理由とは?、骨格を観察すると、その動物の多くを知ることができる。

準備学習:インターネットや書籍等を利用して骨と骨格について調べて、ノートにまとめる。
復習:骨の構造と働きの関連性についてノートにまとめてみる。骨格をつくる意義についてノートにまとめてみる。

240分
3

骨格系2:骨の発生と成長(骨がつくられる仕組み)、体を支える以外の骨の役割(造血、カルシウムとリンの調節)

準備学習:インターネットや発生生物学の教科書等で「骨の発生」について調べて、ノートにまとめてみる。造血およびカルシウム代謝について調べてノートにまとめる。
復習:骨格系についての小テストの結果を踏まえ、理解不足の部分について復習する。

240分
4

骨格系3:無脊椎動物の「かたち」をつくる仕組み、外骨格と脱皮について、貝殻の形成と海綿の骨格

準備学習:インターネットや発生生物学の教科書等で「外骨格」について調べて、ノートにまとめてみる。
復習:無脊椎動物の骨格系についての小テストの結果を踏まえ、理解不足の部分について復習する。

240分
5

筋系:筋の分類とそれらの構造と機能。骨格筋の構造と収縮能力、骨格筋の配列(食肉の固さを決める要因は何か?)、骨格筋の発生と再生について(骨格筋の発生とサテライト細胞による再生機構)

準備学習:インターネットや高校教科書等で筋組織について調べてノートにまとめる。
復習:筋系についての小テストの結果を踏まえ、理解不足の部分について復習する。

240分
6

外皮系:種々の動物における皮膚の構造と機能、皮膚付属器官の構造と機能(汗や皮脂はどこでつくられるのか?、脊椎動物の脱皮、皮膚を介したコミュニケーション)

準備学習:インターネットや参考書等で外皮(皮膚の構造)について調べてノートに図示してみる。
復習:外皮系についての小テストの結果を踏まえ、理解不足の部分について復習する。

240分
7

消化器官系1:脊椎動物における消化器官の構造と機能、消化管と付属器官(肝臓、膵臓)について

準備学習:インターネットや参考書等で消化器官系について調べてノートにまとめてみる。
復習:脊椎動物の口腔から肛門までを図示し、それぞれの器官の働きについて説明を加えてみる。

240分
8

消化器官系2:無脊椎動物における消化器官の構造と機能、背腸と腸(はらわた)、口と肛門

準備学習:インターネットや参考書等で無脊椎動物の消化器官系について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の無脊椎動物の消化器官を図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
9

呼吸器官系:脊椎動物における呼吸器の構成、気管と肺の構造と機能、呼吸器の組織構造とガス交換の仕組み

準備学習:インターネットや参考書等で脊椎動物の呼吸器官系について調べてノートにまとめてみる。
復習:脊椎動物の呼吸器官を図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
10

呼吸器官系:無脊椎動物における呼吸器の構成、皮膚および気管系による呼吸

準備学習:インターネットや参考書等で種々の無脊椎動物の呼吸について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の無脊椎動物の呼吸方法の概略について図示し、説明を加えてみる。

240分
11

循環器官系:多細胞生物における循環器系の発達と形成、血液の構成、血球、血管の構造と機能、心臓の構造と機能

準備学習:インターネットや参考書等で種々の動物の循環器官系について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の動物の循環器官系について図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
12

神経系:無脊椎動物および脊椎動物における神経系の構成、神経組織の一般的な構造、脳と脊髄の構造と機能、感覚器の構造

準備学習:インターネットや参考書等で種々の動物の神経系について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の動物の神経系について図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
13

排出器官:脊椎動物における泌尿器の構成、腎臓の構造と機能、尿の生成と排出の仕組み、無脊椎動物における排出器の構造と機能

準備学習:インターネットや参考書等で種々の動物の排出器官について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の動物の排出器官について図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
14

生殖器官系:種々の動物の生殖器官の構造と機能、脊椎動物における生殖道(卵管、子宮など)の構成と機能

準備学習:インターネットや参考書等で種々の動物の生殖器官系について調べてノートにまとめてみる。
復習:種々の動物の生殖器官系について図示し、それぞの形態的な特徴について説明を加えてみる。

240分
15

これまでの講義内容の理解度を確認する目的でclassroomの課題を実施する。その後、対面授業で課題について解説する。

準備学習:各器官系で実施した小テストの結果と補足した内容を確認し、ノートにまとめてみる。
復習:理解度テストの結果を踏まえて、理解不足であった項目について復習する。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
動物の体は階層構造となっており、いずれの階層においても生命を維持するための「はたらき」を効率的あるいは効果的に発揮するために必要な「かたち」がつくられていることを実例を挙げながら説明できる。(第1〜15回)
各講義で実施するClassroomによる小テストと学期末の課題によって評価をする。
種々の動物の体を構成する各器官系の「かたち」と「はたらき」について図示し、説明できる。各器官系の相互作用によって恒常性の維持機能が保たれていることを説明できる。(第2〜14回)
各講義で実施するClassroomによる小テストと学期末の課題によって評価をする。
動物学を学ぶ上で、動物形態学の意義と重要性について明確に説明できる。(第1〜15回)
各講義で実施するClassroomによる小テストと学期末の課題によって評価をする。
成績評価基準・割合
各授業ごとに実施する各器官系の小テスト(14回分)において、講義内容を正確に理解している(80%)。学期末の課題(20%)で本科目の到達目標が達成されているかについて評価する。60点以上を合格とする。
フィードバックの方法
Classroomに毎回の授業内容に関わる小テストを行う。授業の前半に、前回の授業の小テストの解説と授業内容の概要を説明することによって理解を深める。
教科書
教科書は特に指定しない。シラバスに記載されている授業内容をもとにして、AI、Webサイトおよび下記に示した参考書等をそれぞれ参照しながら予習をしてから授業に出席すること。
参考書
明解哺乳類と鳥類の生理学(4版 学窓社)、図説動物形態学(朝倉書店)、カメの甲羅はあばら骨 ~人体で表す動物図鑑~ (SBビジュアル新書)、いきもののカタチ (学研)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/22
  • 終了期間

    2026/01/19
  • 開始時間

    • 16:00
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    4号館2階の動物学科(動物細胞免疫分野 加野研究室)で随時対応する。Eメールによる質問にも対応する。

備考

kano.kouichirou(at)nihon-u.ac.jp 「(at)は@に置き換えてください」
科目の特徴
  • ICTを用いた授業
  • 対面式授業ではスマートフォンを用いて授業を行う。全ての授業の後にClassroomを利用した小テストを実施する。
備考