科目ナンバー
32A2105
科目名
基礎栄養学
担当教員名・資格
関 泰一郎【教授】 宇野 茂之【非常勤講師】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
動物学科のみ履修可能
履修条件
生化学、動物生理学を履修していることが望ましい。
授業の概要
動物にとって栄養とは,活動,成長,増殖のために外界から必要な物質を取り込み,生命を維持していく現象である。本講義では,基本的な栄養学の概念及び意義や栄養学の歴史,五大栄養素である炭水化物(糖質),脂質,タンパク質,ビタミン,ミネラルについて,それぞれの生体内での役割,各栄養素が関わる疾患及び食物繊維の生理機能などについて学習し,栄養素の摂取,消化,吸収,代謝,排泄及び防御機構等,動物が摂取した栄養素が関わる幅広い領域について理解する。
学びのキーワード
エネルギー、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、栄養素(構造と機能)、代謝生理、欠乏症状、食事摂取基準、生活習慣病、アクティブラーニング、SDGs
授業の目的
ヒトは健康を増進し、生活活動を営むために必要な物質は、食品を介して体内に取り入れて利用している。このような生命を維持していく現象を『栄養』と呼び、食品を介して体内に取り入れる物質は栄養素と定義される。本講義では、栄養と栄養素、その代謝について理解することを学修目標とする。特に生体でのエネルギーの生産・代謝にかかわる栄養素である糖質、脂質、タンパク質の化学構造、さらにはその機能について分子、細胞、個体レベルで学修し、基本的な生命機能と健康増進における栄養の重要性を理解する。飢餓や飽食に対応する生体の巧妙な仕組みについても学修し、基本的な生化学反応がどのように私たちの体の中で展開されているのか理解を深める。この講義全体を通して日本や国際社会が直面している食と健康に関する諸問題を発見し、解決策を提案することができるようになることを最終目的とする。
授業方法
①講義日の1週間前から前日までに講義資料を配信する。教科書、講義資料を用いて予習を行う。
②講義受講後、課題として講義確認問題を配信する。復習後、確認問題に取り組む。
③授業内容に関連した事例(ニュースや新聞に掲載される科学記事、社会問題)を取り上げ、各種教材を配信するので各自調査研究を行う。
④専用の講義ノートを作成し講義の復習を十分行う。復習は講義内容の整理、各自講義中にフォローできなかった不足部分は教科書・参考書を用いて補習し、教科書の図表を説明できるようする。また、教科書に掲載されているチェック問題を解くことで講義内容を深く理解できる。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 5大栄養と食品中のエネルギー、ヒトと動物のエネルギー代謝の違いを説明できる。(第1回、第2回)
  • 5大栄養素の構造、機能を理解し、代謝、栄養要求の差異について説明できる。(第3回~第12回)
  • 健康維持における栄養の持つ意味を理解し、栄養素の不足と過剰症について説明できる。(第3回~第12回)
  • 栄養価の評価として消化率、エネルギー評価法、タンパク質の評価法について説明できる。(第13回)
  • 単胃動物、反芻動物、家禽の消化と吸収、代謝と利用の違いについて説明できる。(第13回、第14回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

授業の概要を説明する。
栄養学の概念・歴史、5大栄養と生体内でおきている反応、栄養を取り巻く世界の状況について解説する。

事前に送信される第1回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後CanvasLMSよりに送信される講義確認問題に取り組み提出する。

200分
2

食品中のエネルギー、ヒトと動物のエネルギー代謝の違いについて説明する。

事前に送信される第2回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
3

糖質の栄養と代謝(1)
糖質の種類、構造と機能、代謝の概略1(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系)
について説明する。

事前に送信される第3回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
4

糖質の栄養と代謝(2)
代謝の概要2(ペントースリン酸経路、グルクロン酸経路、グリコーゲン合成と分解、糖新生)、糖を利用した生体分子、糖尿病、糖の吸収について説明する。

事前に送信される第4回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
5

脂質の栄養と代謝(1)
糖質の種類、構造と機能、代謝の概略(β酸化によるエネルギー産生、脂肪合成、コレステロール合成)、脂質の消化吸収と運搬について説明する。

事前に送信される第5回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
6

脂質の栄養と代謝(2)
エイコサノイド合成、リン脂質、ステロイドホルモン・ビタミンD合成、脂質と疾患について説明する。

事前に送信される第6回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
7

タンパク質の栄養と代謝(1)
タンパク質の基本と構造、アミノ酸の基本、コラーゲンンの構造、アミノ酸からされる生理活性物質について説明する。

事前に送信される第7回講義の資料をならびに資料中に掲載された教科書の指定ページの予習を行う。講義修了後に送信される課題研究に取り組んで提出する。

240分
8

タンパク質の栄養と代謝(2)
タンパク質の消化・吸収、血漿タンパク質、タンパク質・エネルギー栄養障害
について説明する。

事前に送信される第8回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
9

ビタミンの栄養と代謝(1)
ビタミンの基本
脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)の構造と生理機能、脂溶性ビタミンの過剰症、欠乏症について説明する。

事前に送信される第9回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
10

ビタミンの栄養と代謝(2)
水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、C、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸)の構造と生理機能、水溶性ビタミンの欠乏症について説明する。

事前に送信される第10回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後により送信される講義確認問題に取り組み提出する。

240分
11

無機質(1)
ナトリウムと水のバランス、ナトリウム、カリウムの吸収と動態、無機質の欠乏症について説明する。

事前に送信される第11回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

250分
12

無機質(2)
カルシウム、リン、マグネシウムと微量無機質の吸収と動態、無機質の欠乏症について説明する。

事前に送信される第12回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

250分
13

栄養価の評価
消化率、エネルギー評価法、タンパク質の評価法について説明する。
単胃動物の栄養学
ブタ、ウマ、イヌ、ネコなどの消化吸収、代謝と利用について説明する。

事前に送信される第13回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

250分
14

反芻動物の栄養学
ウシ、ラクダの消化と吸収、代謝と利用について説明する。
家禽の栄養学
ニワトリ、ウズラの消化と吸収、代謝と利用について説明する。

事前に送信される第14回講義の資料をならび教科書を用いて予習を行う。講義修了後に送信される講義確認問題に取り組み提出する。

250分
15

授業内試験を行い、試験の解説ならびに講義の振り返りとまとめを行う。

事前に送信される学修のポイント(講義キーワード集)、講義確認問題を中心に講義内容全般にわたる試験勉強を行う。試験後、試問内容について再度学習する。授業評価アンケートを実施する。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
5大栄養と食品中のエネルギー、ヒトと動物のエネルギー代謝の違いを説明できる。(第1回、第2回)
筆記試験、課題(講義確認問題)
5大栄養素の構造、機能を理解し、代謝、栄養要求の差異について説明できる。(第3回~第12回)
筆記試験、課題(講義確認問題)
健康維持における栄養の持つ意味を理解し、栄養素の不足と過剰症について説明できる。(第3回~第12回)
筆記試験、課題(講義確認問題、レポート)
栄養価の評価として消化率、エネルギー評価法、タンパク質の評価法について説明できる。(第13回)
筆記試験、課題(講義確認問題)
単胃動物、反芻動物、家禽の消化と吸収、代謝と利用の違いについて説明できる。(第13回、第14回)
筆記試験、課題(講義確認問題、レポート)
成績評価基準・割合
授業内容の理解度を問う筆記試験50%、課題(講義確認問題)30%、課題(レポート)20%により総合的に評価する。
フィードバックの方法
講義確認問題は、提出期限後に採点結果、解答を各学生に配布する。レポートは、フォローシートを作成して全員に配布する。質疑応答などはEメールを通じて行う。
教科書
健康栄養学―健康科学としての栄養生理化学・第3版(関 泰一郎ら 編集、共立出版)
参考書
食品の保健機能と生理学(改定第3版、西村敏英、関泰一郎編著、アイ・ケイ・コーポレイション)
動物医療従事者のための臨床栄養学(石岡、徳本ら著、EDUWARD Press)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/22
  • 終了期間

    2026/01/26
  • 開始時間

    • 12:10
  • 終了時間

    • 13:00
  • 曜日

  • 場所

    12号館3階 栄養生理化学研究室

備考

科目の特徴
  • ICTを用いた授業
  • CanvasLMSを用いた講義確認問題により、理解度確認を行う。
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • シンシナティ大学メディカルセンター客員研究員の経験を基に、食と健康、基礎疾患に関して講義を行う
備考
授業内容はスケジュールの都合により⼊れ替わる場合があり、その場合は事前にCanvasLMSやEメール等を通じて受講者に周知する。
電子メールアドレス([at]を@に変更して送信してください):宇野茂之 非常勤講師 ( uno.shigeyuki[at]nihon-u.ac.jp )