科目ナンバー
32B2104
科目名
動物自然史博物学
担当教員名・資格
明主 光【助教】 安倍 弘【特任教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
学科指定無し
履修条件
授業の概要
英語表記の「Natural history」およびカタカナ表記の「ナチュラルヒストリー」、またはその邦訳である「自然誌」「自然史」「博物誌」「博物学」は1世紀に著された書名でラテン語の「Naturalis historiae」に由来する語である。これらは自然界に存在するあらゆるモノや現象を観察し、記載する方法を用いて発展してきた古くからの学問であり、自然科学の礎をなしている。本講義では特に脊椎動物・無脊椎動物を対象として、自然界での存在の証拠となる標本の収集・保管・利用、ならびに各分類群における当該分野の研究の展開を概説し、多様性の記載から普遍性や法則性を見出す、近代科学としての「ナチュラルヒストリー」を学習する。
学びのキーワード
ナチュラルヒストリー、自然誌、博物誌、標本、多様性、記載、形態、分類、生態、進化、分布、生活史
授業の目的
脊椎動物および無脊椎動物の各分類群で展開されている具体的な自然史研究の例から、自然史研究での「標本」の役割やその重要性、並びに「博物学(Natural history)」はどのような視点と方法論で行われる学問なのかを理解する。併せて、自然界に存在する多様性の記載から、普遍性や法則性を追求する現代科学への展開を理解し、今後の自然史研究の発展に必要な知識や考え方を修得する。
授業方法
講述およびスライドを用いた対面形式での講義を行い、課題(小テスト、レポート)を課す。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 標本の役割を理解し、脊椎動物における標本の収集・保管・利用の特徴について例を挙げて説明できる。(第1〜8回、第15回)
  • 多様性の記載から普遍性や法則性を導くまでのプロセスについて、脊椎動物での研究例を挙げて説明できる。(第1〜8回、第15回)
  • 標本の役割を理解し、無脊椎動物における標本の収集・保管・利用の特徴について例を挙げて説明できる。(第1回、第9〜14回、第15回)
  • 多様性の記載から普遍性や法則性を導くまでのプロセスについて、無脊椎動物での研究例を挙げて説明できる。(第1回、第9〜14回、第15回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンス:「ナチュラルヒストリー」とは何か?その起源や関連する学問分野から本講義の内容を概説し、特に博物学の基盤となる標本収集の意義を説明する。また、講義の到達目標と評価方法、スケジュール、講義で取り扱う分類群と担当教員、講義に関連する資料(論文や書籍)の調べ方について説明する。

「ナチュラルヒストリー」「自然史」「自然誌」「博物学」「標本」といったキーワードについて事前にインターネットや書籍で調べ、講義中に説明した内容と照らし合わせて復習する。また、授業後には自然史研究においてなぜ標本収集が重要なのか説明できるようにしておく。
シラバスにある授業の概要、目的、到達目標を確認し、学修計画を立てておく。

240分
2

脊椎動物のナチュラルヒストリー(概説):脊椎動物に含まれる分類群の概観について解説する。また、各分類群のサンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説する。

脊椎動物に含まれる分類群とその系統関係について他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
3

脊椎動物のナチュラルヒストリー(哺乳類1):大型哺乳類の自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

哺乳綱に含まれる大型の分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
4

脊椎動物のナチュラルヒストリー(哺乳類2):小型哺乳類の自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

哺乳綱に含まれる小型の分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
5

脊椎動物のナチュラルヒストリー(鳥類):鳥綱について概説する。また自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

鳥綱に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
6

脊椎動物のナチュラルヒストリー(爬虫類):爬虫綱について概説する。また自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

爬虫綱に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
7

脊椎動物のナチュラルヒストリー(両生類):両生綱について概説する。また自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

両生綱に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
8

脊椎動物のナチュラルヒストリー(魚類):魚類と総称される軟骨魚綱と硬骨魚綱について概説する。また自然史研究の例を紹介し、その特徴について解説する。

軟骨魚綱および硬骨魚綱に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
9

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(概説):無脊椎動物に含まれる分類群の概観について解説する。

無脊椎動物と総称される分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
10

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(原索動物・棘皮動物):原索動物、棘皮動物について概説したのちに、サンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説し、自然史研究の例を紹介する。

原索動物および棘皮動物に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
11

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(軟体動物・扁形動物):軟体動物、扁形動物について概説したのちに、サンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説し、自然史研究の例を紹介する。

軟体動物および扁形動物に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
12

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(節足動物1):鱗翅目、膜翅目について概説したのちに、サンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説し、自然史研究の例を紹介する。

節足動物、鱗翅目、膜翅目に含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
13

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(節足動物2):双翅目、鞘翅目、甲殻類について概説したのちに、サンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説し、自然史研究の例を紹介する。

双翅目および鞘翅目に含まれる分類群、甲殻類と総称される分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
14

無脊椎動物のナチュラルヒストリー(鋏角類):鋏角類について概説したのちに、サンプル採集、同定、標本作製方法、標本の保管および利用について解説し、自然史研究の例を紹介する。

鋏角類と総称されるに含まれる分類群を他講義の資料、インターネット、書籍で事前に調べておく。講義後には、事前に調べた内容と講義内容と照らし合わせて、学習内容を確認する。理解できない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
15

まとめ:これまでの学習内容を確認する。また、課題(レポート)の詳細について説明する。

講義で学習した内容を復習したうえで、レポートを作成する。理解できていない項目があれば、オフィスアワーまたはメールにて質問する。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
標本の役割を理解し、脊椎動物における標本の収集・保管・利用の特徴について例を挙げて説明できる。(第1〜8回、第15回)
課題(小テスト、レポート)の内容をもとに総合的に評価する。
多様性の記載から普遍性や法則性を導くまでのプロセスについて、脊椎動物での研究例を挙げて説明できる。(第1〜8回、第15回)
課題(小テスト、レポート)の内容をもとに総合的に評価する。
標本の役割を理解し、無脊椎動物における標本の収集・保管・利用の特徴について例を挙げて説明できる。(第1回、第9〜14回、第15回)
課題(小テスト、レポート)の内容をもとに総合的に評価する。
多様性の記載から普遍性や法則性を導くまでのプロセスについて、無脊椎動物での研究例を挙げて説明できる。(第1回、第9〜14回、第15回)
課題(小テスト、レポート)の内容をもとに総合的に評価する。
成績評価基準・割合
到達目標に関連したレポート課題を脊椎動物関連の授業(明主担当分;50%)と無脊椎動物関連の授業(安倍担当分;50%)それぞれで課す。各担当分の課題(小テスト、レポート)において、授業内容を正しく理解しているか、自らの言葉で適切に説明しているか、という観点から総合的に評価する。
フィードバックの方法
講義室、メールでの質問に対しては、その場または講義内で回答する。課題(小テスト、レポート)の内容については、講評や解説を周知する。
教科書
教科書は使用しない。
参考書
各講義中に書籍、論文等を適時紹介する。
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/20
  • 終了期間

    2026/01/26
  • 開始時間

    • 11:00
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    6号館4階 動物自然史分野 明主研究室 および 4号館4階 生物学研究室(安倍)

備考

上記の時間を設定したが、明主(myoshu.hikari[AT]nihon-u.ac.jp)または安倍(abe.hiroshi[AT]nihon-u.ac.jp)へのメールでも随時受け付ける。なお、「[AT]」は「@」に置き換えること。
科目の特徴
備考