科目ナンバー
32B2106
科目名
海岸生物学
担当教員名・資格
中井 静子【専任講師】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
動物学科のみ履修可能
履修条件
準備学習を行い、講義中に提示する小レポートの課題を提出する。
授業の概要
海岸や沿岸域は、陸域と海域の狭間に位置する変化に富んだ環境である。そのため、地形・物理的環境・生息する生物・生態系とさまざまなレベルで高い多様性が維持されている。海岸は、物質循環から生命の不思議、生物間相互作用から生態系の仕組みまで多くの科学的研究に研究フィールドや実験材料を提供する重要な環境であるが、誰でも容易にアクセスすることのできる大変身近な場所である。本講義では、身近な生き物を題材に、生態系における海岸域の重要性や生態系の仕組みを考える。
学びのキーワード
海岸生物、生物多様性、海岸生態系
授業の目的
海岸や沿岸域の物理的環境や生物の特徴、生態系について理解することを目的に、身近な海岸域でみられる様々な生物の生活史・行動・生態を紹介する。また、海岸の環境的、生物相的特徴を解説することで、陸域や人間生活との関連、進化における海岸域の役割を考える。
授業方法
パワーポイント、資料等を用いた講義を行う。授業中に予習や復習の確認のため小レポートやディスカッションを適宜実施する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 海岸生物学を通して生態系の仕組や重要性を理解する(第1,10,14,15回)
  • 海岸の物理的環境と海岸生物の特徴を知る(第2~9回)
  • 海岸生物の例から生物の多様な生活史を理解する(第11~13回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンス:講義の概要とスケジュール、講義の進め方や受講の注意について説明する。海岸生物学序論:海岸生物学を学ぶ意義。生物多様性や生態系の仕組みを学ぶ意義を解説する。

事前準備:海岸生物の重要性について考える。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
2

海岸の環境①:潮汐のリズム。潮の満ち引きについて解説する。

事前準備:海岸の水環境について考える。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
3

海岸の環境②:潮汐と潮間帯。潮の満ち引きが生み出す特異な海岸環境について解説する。

事前準備:海岸生物の例をあげる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
4

海岸の環境③:海岸生物の帯状分布・生活様式。潮間帯生物群集の特徴を解説する。

事前準備:海岸生物の生態的特徴は何か例を挙げる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
5

海岸の環境④:海岸環境のタイプ・ベントスの基質利用と食性。海岸のさまざまなタイプの紹介と海岸に生息する生物の特徴について解説する。

事前準備:海岸の種類や景観の違いについて考える。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
6

海岸の環境⑤:海岸の環境傾度と海岸生物の耐性・水の性質。潮間帯の物理的環境の変化および水の性質との関わりを解説する。

事前準備:海と陸の環境ストレスの例をあげる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
7

ベントスの種内競争①:個体群密度、フジツボの生活史。海岸の代表種の一つであるフジツボを例に、ベントスの生活史の一例と種内競争について解説する。

事前準備:海岸のフジツボを観察する。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
8

ベントスの種内競争②:なわばり・順位、ベントスの種間相互作用①:フジツボの種間競争と帯状分布。海岸生物の種内競争と種間競争の例を挙げ、フジツボを例に解説する。

事前準備:競争に伴う相互作用の例をあげる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
9

ベントスの種間相互作用②:捕食者のタイプ・被食者の防御、刺胞動物の特徴。海岸生物における捕食者と被食者の例を挙げ解説する。また、海岸の代表種の一つである刺胞動物について紹介する。

事前準備:被食者の防御の例をあげる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
10

ウミウシの仲間、ベントスの種間相互作用③:競争・捕食・共存。ウミウシについての紹介および様々な種間相互作用を解説する。

事前準備:海岸の生物多様性の要因を考える。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
11

ベントスの種間相互作用④:寄生・共生、ベントスの生活史①:寿命。海岸生物における寄生・共生・生活史について解説する。

事前準備:ベントスと寄生の例を挙げる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
12

ベントスの生活史②:トレードオフ・発生様式。海岸生物の多様な発生様式について例を挙げて紹介する。

事前準備:ベントスの発生様式の例を考える。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
13

ベントスの生活史③:繁殖。海岸生物の多様な繁殖生態の特徴を解説する。

事前準備:ベントスの繁殖の例をあげる。講義の内容をノートにまとめ、復習・理解する。

240分
14

ベントスの生活史④:漁業とベントス、これまでの学習内容の確認(授業内試験)をする。水産資源としての海岸生物について例を挙げて紹介する。

事前準備:講義内容を復習する。試験の内容を講義資料から再確認する。

240分
15

海岸の外来種・気候変動、海岸動物学総論:授業内容の振り返り、追加解説を行う。海岸の外来種について例を紹介する。

事前準備:講義の疑問点を確認する。講義を通しての疑問点や確認事項について、質問等で理解を深める。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
海岸生物学を通して生態系の仕組や重要性を理解する(第1,10,14,15回)
小レポート・授業内テスト
海岸の物理的環境と海岸生物の特徴を知る(第2~9回)
小レポート・授業内テスト
海岸生物の例から生物の多様な生活史を理解する(第11~13回)
小レポート・授業内テスト
成績評価基準・割合
小レポート・授業内テスト100%。海岸生態系の物理的特徴、海岸生物の生態的特徴について理解できていれば合格(60点)
フィードバックの方法
レポートに記載された質問や、より詳しい説明が必要と推測された講義箇所について、次回の講義で回答の提示や追加説明を行う。授業内試験後に授業内での試験問題に関する解説を行う。
教科書
使用しない
参考書
プリント配布
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/25
  • 終了期間

    2027/01/21
  • 開始時間

    • 12:10
  • 終了時間

    • 16:30
  • 曜日

  • 場所

    研究室・講義室またはメールにて対応

備考

担当教員連絡先:nakai.shizuko[at]nihon-u.ac.jp([at]を@に置き換えて送信してください。)
問い合わせは随時受付けます(メール等の返信には少し時間がかかることがあります)。
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • 講義内で提示する課題について、数名での意見交換を行う。
備考
前回の授業内容の補足を行ったり、次回の授業予定の内容を話すなど、シラバスの内容と実際の授業の進行には多少のずれが生じることがあります。