科目ナンバー
32C2104
科目名
実験動物学
担当教員名・資格
山室 裕【教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
学科指定無し
履修条件
動物遺伝学、動物形態学、動物生理学を履修し、単位取得していることが望ましい
授業の概要
実験動物とは何か、動物実験と倫理ならびに関連法規、日本大学動物実験実施規程をもとに動物実験計画書の作成とその重要性について説明する。次いで、実験動物の遺伝形質と育種、繁殖、飼養、飼育環境および衛生、野生動物の実験動物化、疾患モデル動物について講述する。また、感染症ならびに各種毒性試験、催奇型性とそれらの評価などを解説する。
学びのキーワード
動物実験計画書、動物実験、実験動物、ヒト疾患モデル動物、感染症
授業の目的
近年、生物学、医学、薬学、獣医学、畜産学、行動・心理学等、ライフサイエンスを含む広範な研究分野や医薬品、農薬、食品・飼料添加物の薬効および安全性試験等において、数多くの実験動物が使われており、その重要性が叫ばれている。本講義では、実験動物の種や系統分類、各々の生物学的特性を理解することにより、正しい動物実験計画立案のための基本的な能力を身につける。さらに、これら分野に適した実験動物の開発・改良、生産・維持・供給および衛生、疾患、飼育管理ならびに動物実験法について総合的に学ぶことにより、動物実験を行ううえでの必要不可欠な知識や最低限の技術論を修得する。
授業方法
原則、全ての講義を対面形式で行う。パワーポイントにより講義を進める。単元ごとに課題(4~6回の理解度確認レポート)の提出、講義最終の総合確認レポートの提出により、できる限り講義時間内でないようを理解できるよう展開する。理解を深めるため、重要かつ詳細表示のスライドに関しては、パワーポイントをpdf変換したものを配信する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 日本大学動物実験実施規程の十分な理解のうえ、動物実験を実施できる。
    (第2回)
  • ヒト疾患モデル動物の科学的重要性を理解し、その特徴および作製法等について修得する。
    (第9、10回)
  • 実験動物の感染症に関して十分な知識を修得し、衛生的な動物実験を遂行できる。
    (第11、12回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

「実験動物学」の講義の進め方(シラバスの解説)、実験動物学とは:①実験動物と実験用動物の分類、②動物実験とは?その目的の必要性、③動物の反応、外挿と疾患モデルについての概説、④倫理と法規、⑤実験動物 の種と系統、について解説する。

受講するにあたり、講義概要、シラバスを事前に目を通し、個々に学習計画を設定しておくこと。次回の講義内容を配信動画で事前に確認しておくこと。

60分
2

本学における動物実験を理解するうえで、日本大学動物実験実施規程、学内実験動物飼育施設、実験施設等に関する説明を行い、動物実験計画書の内容とその必要性を解説する。さらに、3Rに関する社会的動向についての解説も加える。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
3

実験動物の育種:①実験動物の開発(野性動物の実験動物化、家畜の実験動物化について)、②実験動物の遺伝的統御(近交系、クローズドコロニ ー、ミュータント、交雑群の作出と維持)、③系統名の命名と国際登録、について解説する。
【課題提出あり】

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
4

実験動物の遺伝的モニタリング:主に①毛色遺伝子座について解説する。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
5

実験動物の遺伝的モニタリング:主に②生化学、免疫学、細胞生物学、分子生物学的遺伝子座、③量的形質、⑤他の遺伝形質、について解説する。
【課題提出あり】

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
6

発生工学を用いた実験動物の作製:①単親性遺伝的完全ホモ型動物、②遺伝子移植動物、③核移植動物、④人工キメラ動物、の作製法を解説しその原理についての理解を深める。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
7

実験動物の繁殖:①性成熟の様相および判定、②繁殖季節、③発情周期、④動物種による交配法、⑤排卵と黄体形成、⑥妊娠、⑦分娩、⑧産子数、⑨泌乳、という各現象に関して解説する。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
8

実験動物の飼養と管理:①狭義の環境(気候因子:物理化学的因子)、②生物的要因(同種動物:社会的順位、なわばり制、飼育密度、♂ の臭い、異種動物:ヒト、 微生物)、③生物因子の生体に及ぼす影響(群居と内分泌、群居と成長、♂のにおいと♀の繁殖)、について解説する。
【課題提出あり】

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
9

ヒト疾患モデル動物の分類と用途の解説(1):マウス、ラットを中心とした「自然発症モデル」を列挙し、その特徴を解説する

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
10

ヒト疾患モデル動物の分類と用途の解説(2):マウス、ラットを中心とした「誘発的発症モデル」を列挙し、その特徴を解説する。また、ヒト化マウスの作製、現状について解説する。
【課題提出あり】

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
11

実験動物の感染病:総論として、実験動物の微生物学的品質と環境、感染病と動物実験、各種感染病のコントロールについて解説する。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
12

実験動物の感染病:各論として、感染症を引き起こす細菌真菌、リケッチア、クラミジア、原虫、ウイルスについて解説し、実際の疾患を挙げその症状、予防法について説明する。
【課題提出あり】

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
13

実験動物を用いた行動神経化学的研究の現状:マウスを中心として、行動解析に用いられるアパラタス(オープンフィールド、高架式十字迷路、オペラント型弁別学習装置など)、最新の行動神経科学の事例を紹介し、行動評価と神経機能評価の実際について解説する。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
14

実験動物を用いた研究成果の解析および発信方法について:動物実験実施するうえでの使用頭数の科学的根拠について解説する。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

240分
15

これまでの学習内容の確認し、各項目に関して再度重要ポイントを復習する意図でレポートを作成する。それにより、動物実験計画書立案に向け、総合的な解説により、より深い理解の習得を試みる。

前回の授業内容を十分理解するよう復習し、次回の講義内容を配信pdfで事前に確認しておくこと。また、該当する授業終了後、理解度が低い項目、内容に関しては、その旨を端的にまとめ、オフィスアワー、メール等により質問できる準備を整えること。

270分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
日本大学動物実験実施規程の十分な理解のうえ、動物実験を実施できる。
(第2回)
第2回終了後に提出される【理解度最終レポート】の内容により総合的に評価する。
ヒト疾患モデル動物の科学的重要性を理解し、その特徴および作製法等について修得する。
(第9、10回)
第10回終了後に提出される【理解度確認レポート】の内容とにより総合的に評価する。
実験動物の感染症に関して十分な知識を修得し、衛生的な動物実験を遂行できる。
(第11、12回)
第10回終了後に提出される【理解度確認レポート】の内容とにより総合的に評価する。
成績評価基準・割合
提出を求める理解度確認レポート(課題:計5回)は授業内容の理解度を確認する目的であり(60%)、最終レポートは40%とし、合計100%とする。課題、最終レポートとも、正確な科学的用語を用い説明、記述ができ、動物実験に対する60%以上の理解が確認できる場合、合格(60点)とする。
フィードバックの方法
提出された課題に関しては、採点のうえ、次回の講義の冒頭に課題の解説と出題の意図について説明し、全体に対しての講評をおこなう。
教科書
教科書は使用せず、全て授業で示すパワーポイントにより解説する。予習、復習の際には、以下の参考書を推奨する。
参考書
実験動物学-比較生物学的アプローチ(文永堂書店)
マウス実験の基礎知識(オーム社)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/24
  • 終了期間

    2026/01/21
  • 開始時間

    • 16:30
  • 終了時間

    • 18:00
  • 曜日

  • 場所

    6号館4階 動物学科山室研究室

備考

可能な場合は上記オフィスアワーにて対応するが、基本的にまたはメールにより双方向、個別対応とする。
Email: yamamuro.yutaka(at)nihon-u.ac.jp
※atは@に置き換えてください。
科目の特徴
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 企業・医科大学において実験動物を用いた治験研究、医薬品開発の実施経験のある教員が、その経験を生かして毒性・薬物代謝・前臨床試験の基本的な知識と手法、製薬メーカーとの共同開発手順、それに関わる法的規制などについて講義する((株)三菱油化ビーシーエル、現:(株)LSIメディエンス、埼玉医科大学)。
備考
オフィスアワーに研究室訪問の際は、事前にメール連絡をし在室の確認を取ってください。