科目ナンバー
32D3106
科目名
野生動物と飼育動物の感染症学
担当教員名・資格
丸山 総一【特任教授】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
学科指定無し
履修条件
感染症に興味を有していること,および微生物学に関する基礎知識を有していることが望ましい。講義終了後は,配布したパワーポイントファイルを参考に講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。
授業の概要
脊椎動物の感染症は,人固有の感染症,動物固有の感染症,人と脊椎動物の間を相互に移行するいわゆる人獣共通感染症に大別される。各種感染症の病原体は,ウイルス,リケッチア・クラミジア,細菌,真菌,寄生虫(原虫,蠕虫)等で,様々な経路で人や動物に感染し,病気を引き起こす。本講義では,野生動物や飼育動物から感染する人獣共通感染症および動物固有の感染症の病原体,感染源,伝播様式,発生状況,臨床症状,治療・予防方法などについて具体的な事例を紹介しながら解説する。
学びのキーワード
人獣共通感染症,動物感染症,ウイルス,細菌(リケッチア・クラミジアを含む),真菌,寄生虫(原虫・蠕虫)
授業の目的
最近では様々な野生動物が私たちの生活環境周辺に出没するようになってきた。野生動物は感染症,特に新興感染症の病原巣であることも多く,人や家畜に伝播することで,大きな社会問題を引き起こすことがある。家畜やペット等は,私たちの身近な飼育動物である。近年,ペットの種類は多様化し,人との距離も極めて近くなっていることから,様々な人獣共通感染症が発生するようになってきた。従って,野生動物や飼育動物の感染症ついて正しい認識を持っておくことは,私たちが安全,安心な生活を営む上で重要といえる。本講義では,野生動物ならびに飼育動物が関わる感染症,特に人獣共通感染症を中心に理解を深めることを目標とする。
授業方法
パワーポイントの資料をプロジェクターで示して講義する。授業で使用するパワーポイントファイルは,各授業の前にClassroomにアップロードする。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 野生動物と飼育動物が関わるウイルス性,リケッチア・クラミジア性,細菌性,真菌性,寄生虫性(原虫性,および蠕虫性)人獣共通感染症および動物感染症の病原体,感染源,伝播様式,発生状況,人・動物の臨床症状,診断方法,治療方法,予防方法を説明できる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

感染症総論:感染症の分類,新興・再興感染症,人獣共通感染症の定義,病原体,感染症対策に関わる法律,世界とわが国の現状,バイオハザード対策など

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
2

ウイルス性人獣共通感染症1:狂犬病,リッサウイルス感染症,フィロウイルス感染症(マールブルグ病,エボラ出血熱),へニパウイルス感染症(ヘンドラウイルス感染症,ニパウイルス感染症)

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
3

ウイルス性人獣共通感染症2:ハンタウイルス感染症,リフトバレー熱,重症熱性血小板減少症候群(SFTS),ラッサ熱,南米出血熱,インフルエンザ

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
4

ウイルス性人獣共通感染症3:黄熱,日本脳炎,ウエストナイル熱,ダニ媒介性脳炎,デング熱,ジカウイルス感染症,チクングニア熱

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
5

ウイルス性人獣共通感染症4:重症急性呼吸器症候群,中東呼吸器症候群,COVID-19,エムポックス(サル痘),E型肝炎,プリオン病(牛海綿状脳症,クールー)

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
6

リケッチア・クラミジア性人獣共通感染症:発疹チフス,発疹熱,紅斑熱,ツツガムシ病,オウム病

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
7

細菌性人獣共通感染症1:ペスト,エルシニア症,細菌性赤痢,腸管出血性大腸菌症,サルモネラ症

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
8

細菌性人獣共通感染症2:レプトスピラ症,カンピロバクター症,ブルセラ症,野兎病

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
9

細菌性人獣共通感染症3:パスツレラ症,猫ひっかき病,カプノサイトファーガ感染症,Q熱,ライム病

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
10

細菌性人獣共通感染症4:炭疽,破傷風,ブドウ球菌感染症,豚連鎖球菌感染症,豚丹毒,結核,非定型抗酸菌症,コリネバクテリウム・ウルセランス感染症

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
11

真菌性人獣共通感染症:クリプトコックス症,皮膚糸状菌症
原虫性人獣共通感染症:トキソプラズマ症,アメーバ赤痢,アメリカトリパノソーマ症,アフリカトリパノソーマ症,クリプトスポリジウム症

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
12

蠕虫性人獣共通感染症1:トキソカラ症,アライグマ回虫症,顎口虫症,アニサキス症,犬糸状虫症,旋毛虫症

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
13

蠕虫性人獣共通感染症2:,日本住血吸虫症,肺吸虫症,有鉤条虫症,無鉤条虫症,エキノコックス症
外部寄生虫による病害:ハエ幼虫症,ノミ刺咬症,マダニ刺咬症,ワクモ刺咬症

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
14

動物固有の感染症:ジステンパー(犬),猫伝染性腹膜炎(猫),豚熱(豚,イノシシ),口蹄疫(偶蹄類)
授業全体のまとめとポイント解説

事前に配布する授業のテーマに沿ったスライドを授業の前に通読しておくこと。講義終了後は,講義内容を確認し,自宅学習を行うこと。

240分
15

期末試験

第1~14回講義の内容を復習して試験に臨むこと

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
野生動物と飼育動物が関わるウイルス性,リケッチア・クラミジア性,細菌性,真菌性,寄生虫性(原虫性,および蠕虫性)人獣共通感染症および動物感染症の病原体,感染源,伝播様式,発生状況,人・動物の臨床症状,診断方法,治療方法,予防方法を説明できる。
授業への参加・貢献度、授業内容の理解度を問う試験による総合評価
成績評価基準・割合
到達目標に掲げたウイルス性,リケッチア・クラミジア性,細菌性,真菌性,および寄生虫性人獣共通感染症・動物感染症の病原体,感染源,伝播様式,発生状況,人・動物の臨床症状,診断方法,治療方法,予防方法に関する基本事項を理解し,対面によるテストで60点以上であれば合格。
フィードバックの方法
口頭による質問は随時受け付ける。最後の授業では,14回の授業全体を通じて重要なポイントについて解説する。
教科書
特に指定しない,事前に授業で使用するスライドのPDFファイルを別途配信する。
参考書
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/26
  • 終了期間

    2026/02/20
  • 開始時間

    • 13:30
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    動物医科学研究センター 3階スタッフルーム

備考

メイルアドレス:maruyama.soichi@nihon-u.ac.jp
科目の特徴
  • ICTを用いた授業
  • パワーポイントを用いた情報の提供
備考