科目ナンバー
37C3105
科目名
食と脳科学
担当教員名・資格
大畑 素子【准教授】 長田 和実【特任教授】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
食品開発学科のみ履修可能
履修条件
授業の概要
食行動とは,ヒトが食べるという行動とその背後にある心的プロセスのことであり,これを理解するためには「食」と「心」の両面からのアプローチが必要となる。食品開発を行うためには食品科学や栄養学の知識に基づき,食行動の原理の理解が必要である。本講義では「食」と「脳」の関係について解説を行う。「ヒトはなぜ食べるか」をテーマとし,食欲など身近な話題から,食行動科学の基礎,大脳機能の改善などの応用的な話題を取り上げ,脳科学的視点からみた食行動を学ぶ。
学びのキーワード
食欲、脳機能、嗅覚、栄養素、咀嚼、ホルモン
授業の目的
食と脳の相互作用について基本的概念を学ぶとともに、糖質や脂肪の摂取・タンパク質摂取・ナトリウム摂取についてそれぞれの欲求と調節メカニズムを理解することを目的とする。また、食品中のミネラルやビタミン、脂肪酸などの栄養素や、咀嚼などの食行動がもたらす脳機能の調節について学ぶことも目的とする。さらに、嗅覚と高次機能の神経生理学的関係について深く考究することを目的とする。
授業方法
資料を配布し、それを中心に講義する。スライドも使用する。
受講生の構成や講義の進行状況により、重点的に講義する内容や省略する内容、関連事項を加えることがある。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 食と脳の相互作用について基本的概念を理解できる、エネルギー源(糖質や脂肪)の摂取・タンパク質摂取・ナトリウム摂取についてそれぞれの欲求と調節メカニズムを深く理解できる。(1~4回)
  • 食事摂取に伴う快楽について、脳内神経機構を理解したうえで説明できる。食品中のミネラルやビタミン、脂肪酸などの栄養素や、咀嚼などの食行動がもたらす脳機能の調節について理解し説明できる。(5~10回)
  • 食物に含まれる匂い物質の化学感覚刺激で脳の遺伝子の発現量が変化し、動物行動に変化が起きることを理解できる。嗅覚と高次機能の神経生理学的関係を理解できる。(11~15回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

【イントロダクション:人はなぜ食べるのかー食と脳科学の関係】
食と脳の相互作用についての基本的な概念を紹介する。食欲や嗜好がどのように脳によって制御されるかを概観する。

シラバスの内容をよく確認する。

240分
2

【食欲の生理学①;エネルギーの摂取調節】
糖質や脂肪などのエネルギー欲求による空腹感に発生とその調節メカニズム、および視床下部や他の脳領域が食欲に与える影響について講義する。

人はなぜ食べるのかー食と脳科学の関係についてのイントロダクションを復習すること。

240分
3

【食欲の生理学 ②;タンパク質の摂取調節】
タンパク質(アミノ酸)に対する欲求、あるいは空腹感の発生とその調節メカニズム、および脳領域が食欲に与える影響について講義する。

エネルギーの摂取調節について復習すること。

240分
4

【食欲の生理学 ③;ナトリウムの摂取調節】
ナトリウムのホメオスタシスと味覚受容の調節メカニズムによる塩味欲求の発生とその調節メカニズム、および脳弓下器官や他の脳領域が塩味欲求に与える影響について講義する。

タンパク質の摂取調節について復習すること。

240分
5

【食事のもたらす快楽;なぜ食事はおいしいのか】
食事のおいしさは人生最高の快楽の一つであり、幸福な生活の必須要素である。食事に病みつきになるほど没頭したり、幸福感を感じる時の脳内神経機構について講義する。

ナトリウムの摂取調節について復習すること。

240分
6

【食欲の調節メカニズムの解明】
食欲は摂取する食物によって多大な影響を受ける。食べ過ぎないための食材や栄養素の選択、その時の脳内のホルモンの調節機能について講義する。

食事を摂取したときの幸福感を感じる脳内神経機構について復習すること。

240分
7

【食のもたらす脳機能調節①;ビタミン・ミネラルが神経伝達物質の生成に及ぼす影響】
ビタミン・ミネラルは神経伝達物質の合成や中枢神経の分化および形成などに必須である。これら微量栄養素の神経伝達物質の生成に及ぼす役割について講義する。

食欲調節のメカニズムについて復習すること。

240分
8

【食のもたらす脳機能調節②;ビタミン・ミネラルが脳の構造形成に及ぼす影響】
ビタミン・ミネラルは神経伝達物質の合成や中枢神経の分化および形成などに必須である。これら微量栄養素のアストログリア、オリゴデンドロサイト、マイクログリアの機能に及ぼす役割について講義する。

ビタミンやミネラルが神経伝達物質の生成に及ぼす影響について復習すること。

240分
9

【食のもたらす脳機能調節③;ω-3脂肪酸、MCTなどの脂肪酸と脳機能】
脳には機能脂肪が多く、脂肪酸の種類によってIQが変化するとさえ言われている。本講義ではω-3脂肪酸やMCTの脳機能について講義する。

ビタミンやミネラルが脳の構造形成に及ぼす影響について復習すること。

240分
10

【食のもたらす脳機能調節④;咀嚼による脳機能の改善】
脳の神経細胞は出生後の動物ではほとんど細胞は増えないが、海馬歯状回及び嗅球では細胞新生が認められ、嗅覚機能や記憶維持に影響を与える。これらの細胞新生に対する咀嚼の影響について講義する。

ω-3脂肪酸、MCRなどの脂肪酸と脳機能について復習すること。

240分
11

【嗅覚がもたらす脳機能調節①;脳の構造から観た嗅覚と高次機能の関係】
脳は食物の化学感覚刺激で遺伝子の発現量が変化し、動物行動に変化が起きる。本講義では嗅覚と高次機能の神経生理学的関係を解説する。

咀嚼による脳機能の改善について復習すること。

240分
12

【嗅覚がもたらす脳機能調節②;食品がもたらす化学感覚による脳機能の調節】
脳は食物の化学感覚刺激で遺伝子の発現量が変化し、動物行動に変化が起きる。近年の研究の進歩も含めて講義を行う。

脳の構造から観た嗅覚と高次機能の関係について復習すること。

240分
13

【嗅覚がもたらす脳機能調節③;近赤外光脳機能イメージング装置を用いた神経活動の評価】
近赤外光脳機能イメージング(NIRS)装置の特徴とこれを用いた中枢神経活動の評価について解説する。

食品がもたらす化学感覚による脳機能の調節について復習すること。

240分
14

【嗅覚がもたらす脳機能調節④;食品がもたらす化学感覚による脳機能の調節】
脳は食物の化学感覚刺激で遺伝子の発現量が変化し、動物行動に変化が起きる。近年の研究の進歩も含めて講義を行う。

NIRS測定の原理を復習し、応用例を調べること。

240分
15

授業内試験および解説

第1回〜14回目までの内容を詳細に復習すること。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
食と脳の相互作用について基本的概念を理解できる、エネルギー源(糖質や脂肪)の摂取・タンパク質摂取・ナトリウム摂取についてそれぞれの欲求と調節メカニズムを深く理解できる。(1~4回)
課題等および授業内試験の点数により評価
食事摂取に伴う快楽について、脳内神経機構を理解したうえで説明できる。食品中のミネラルやビタミン、脂肪酸などの栄養素や、咀嚼などの食行動がもたらす脳機能の調節について理解し説明できる。(5~10回)
課題等および授業内試験の点数により評価
食物に含まれる匂い物質の化学感覚刺激で脳の遺伝子の発現量が変化し、動物行動に変化が起きることを理解できる。嗅覚と高次機能の神経生理学的関係を理解できる。(11~15回)
課題等および授業内試験の点数により評価
成績評価基準・割合
課題等(20%)および授業内試験(80%)の点数で評価する。食品中の栄養素(特に糖質、脂肪、タンパク質、ナトリウム)の欲求とその調節メカニズムが理解できていること、食事摂取に伴う快楽に関する脳内神経機構を理解できていること、食品中の栄養素(特にミネラル、ビタミン、脂肪酸)と咀嚼がもたらす脳機能調節について理解できていること、嗅覚と高次機能の神経生理学的関係を理解できていること、以上の内容について正しい理解及び設問の主旨を十分理解したうえで、正しく回答できていることを評価基準とし、課題等(20%)および授業内試験(80%)総合100点満点中60点以上の得点で合格とする。
フィードバックの方法
課題等については次回授業等で解説を行う。授業内試験を実施後、授業内で解説を行う。
教科書
教科書:使用しない
参考書
参考書や推薦する書籍など:講義の中で随時紹介する。
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/09/25
  • 終了期間

    2026/01/22
  • 開始時間

    • 14:30
  • 終了時間

    • 16:00
  • 曜日

  • 場所

    食品栄養学研究室(12号館6階)

備考

原則講義終了後に質問等に対応する。メール等での予約を要する。
担当教員メールアドレス(大畑素子): oohata.motoko[at]nihon-u.ac.jp
担当教員メールアドレス(長田和実): osada.kazumi[at]nihon-u.ac.jp
[at]は@に置き換えて送信してください。
科目の特徴
備考
受講生の構成や希望、講義の進行状況により、重点的に講義する内容や省略する内容、関連事項を加えることがある。また、授業内容はスケジュールにより入れ替わる場合がある。