科目ナンバー
32D3101
科目名
動物園飼育管理学
担当教員名・資格
中山 侑【非常勤講師】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
集中
学科・クラス指定等
動物学科のみ履修可能
履修条件
授業の概要
動物園や水族館に代表される動物生体の展示は,世界の珍奇動物に対する富裕層の個人的趣味とコレクションに端を発するとされ,またさまざま動物を蒐集するという博物学の出発点でもあった。近代以降,動物学の発展とともに学術的な基盤をもとにした動物展示を経て,現代では高度な医療や繁殖技術をフィードバックさせた希少種の人工繁殖保存に主目的を移すようになってきた。したがって,単なるエンターテイメントとしての珍奇動物展示の思想と実態は過去の遺物となり,動物生体の展示は新たな局面を迎えている。本講義では,これまで展示動物の飼育が歩んできた歴史的過程やそれぞれの時代での成果,技術の進歩を紹介し,将来の展示動物の飼育が目指すべき役割について学習する。
学びのキーワード
動物園、飼育管理、アニマルウェルフェア(動物福祉)、保全、環境教育
授業の目的
動物園の使命や社会的役割、現代の動物園が直面する課題を通じて、生きた動物を飼育する意義や今後のあるべき姿を理解する。また、アニマルウェルフェア(動物福祉)に基づく飼育管理と、飼育以外に必要な管理・対策を含めた動物園動物の適切な管理について多角的に理解する。
授業方法
スライドおよび板書を用いて講述し、講義内で課題を課す。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 動物園の使命や社会的役割を理解すること。(第1回〜第5回)
  • アニマルウェルフェア(動物福祉)の定義や思想を説明できること。(第6回〜第10回)
  • 動物園の使命や社会動物園が直面している課題と目指すべき姿について思考できること。(第11回〜第15回)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

動物園の歴史:動物園の起源と、時代ごとに変化した機能や構造について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
2

動物園の役割:現代の動物園が掲げる4つの役割(種の保存、教育・環境教育、調査研究、レクリエーション)と、現代の動物園の存在意義を解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
3

動物園の実態:国内の動物園の数や分布、運営形態、組織の違い、関連法規や職種について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
4

日本の動物園の課題:海外事例との比較しながら、日本の動物園が直面している組織運営や法律上の課題を解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
5

種の保存:動物園における種の保存(域内・域外保全)の重要性と、具体的な取り組みを解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
6

アニマルウェルフェア(動物福祉)1:アニマルウェルフェアの概念を、動物愛護や権利との違いを含めて解説し、現代動物園の倫理的視点を解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
7

アニマルウェルフェア(動物福祉)2:動物飼育の基盤となるアニマルウェルフェアの重要性と、動物福祉の具体的な評価方法、環境エンリッチメントの役割について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
8

感染症対策・健康管理:動物園における感染症のリスクや、防疫・健康管理(野生動物対策、検疫、予防接種、BCS評価、ハズバンダリートレーニングなど)による予防法を解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
9

給餌設計:動物種に適した栄養バランスと種特有の行動を基にした給餌設計と、給餌管理方法および栄養評価法について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
10

繁殖計画:個体群・血統管理に基づく繁殖準備や動物移動、繁殖制限方法、および繁殖時の早期性判別技術について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
11

安全管理:人動物を守るための獣舎構造と関連法規、および安全訓練などの有事への備えに加え、動物園が直面する安全管理の課題も解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
12

調査研究1:動物園が行う調査研究の目的と、動物園職員が主体的に行う研究活動について解説する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
13

調査研究2:動物園が外部研究機関との連携研究の重要性と、具体的な研究事例を紹介する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
14

環境教育:動物園の教育方針の変化と、教育施設としての重要性を解説する。来園者への情報の伝え方と、来園者の理解が生む効果も紹介する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。次時限の内容に関して、事前に調べておくこと。

240分
15

まとめ:これまでの内容を振り返り、今後の動物園の役割や、動物飼育管理のあるべき姿について総括する。

授業後の内容について、ノートをまとめながら復習、理解すること。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
動物園の使命や社会的役割を理解すること。(第1回〜第5回)
講義内で課す複数回の課題の結果から 総合的に評価する。
アニマルウェルフェア(動物福祉)の定義や思想を説明できること。(第6回〜第10回)
講義内で課す複数回の課題の結果から 総合的に評価する。
動物園の使命や社会動物園が直面している課題と目指すべき姿について思考できること。(第11回〜第15回)
講義内で課す複数回の課題の結果から 総合的に評価する。
成績評価基準・割合
動物園の社会的役割と現代動物園の課題、およびアニマルウェルフェア(動物福祉)を基盤とした動物の飼育管理について正しく理解しているか、講義内で課す複数回の課題の結果から 総合的に評価する。
フィードバックの方法
必要に応じて講義内またはオンラインで回答する。
教科書
教科書・参考書は用いない。
参考書
オフィスアワー
  • 開始期間

    2025/08/01
  • 終了期間

    2025/09/19
  • 開始時間

    • 09:00
  • 終了時間

    • 18:00
  • 曜日

  • 場所

    講義室

備考

講義前後で講義室にて対応します。またはメールでも対応します(nakayama.yu[at]nihon-u.ac.jp)。
科目の特徴
備考