科目ナンバー
科目ナンバリングコード:09B3105
科目名
香りの科学
担当教員名・資格
大畑 素子【准教授】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
前期
学科・クラス指定等
食品生命学科のみ履修可能
履修条件
食品生命学科の学生に限定する。
授業の概要
私たちの生活に「香り」は欠かせないものである。食べ物や飲み物の香り、ハウスホールド製品の香りや化粧品類の香り、森林などの場所や空間の香り、そして体臭など、香りのするものは挙げたらきりがないほどである。しかし、「香り」とは目に見えないため、その正体を理解せず生活していることも多いだろう。この講義では、「香り」とは何か?を科学的に理解し、最近の研究報告なども交えて幅広く考究する。特に、食品の香りとその特徴、香料としての利用や重要性について深く学習する。
学びのキーワード
香り、嗅覚、香料、フレーバー
授業の目的
香り成分の化学構造や香調などの特徴、嗅覚メカニズムに至るまで「香り」に興味を持ち、理解することを目的とする。生活に関わる香りのうち食品の香りに焦点化し、食品品質に対する香りの重要性および評価方法、さらには香りの利用や応用を理解することも目的とする。特に、加工食品の嗜好性に対するフレーバーの重要性について理解を深める。
授業方法
講義室で対面で講義形式の授業を行う。スライドを使用する。また講義内容によっては香料などを呈示することもある。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 「香り」とは何か?について、化学構造や香りの特徴、嗅覚メカニズムに至るまで興味を持ち、理解できる。
  • 生活に関わる「香り」のうち、食品の香りを総合的に理解し、食品品質に対する香りの重要性および評価方法を踏まえた上で、香りの利用や応用を考えることができる。
  • フレーバーの生産と研究について興味を持ち、加工食品の嗜好性に対しフレーバーがいかに重要かを理解できる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

授業ガイダンス
【香りとは】
・西洋と東洋の香りの歴史と文化

シラバスをよく読んでおくこと。自身の香りに対する興味や体験などを各自でまとめておくこと。西洋と東洋の香りの歴史について復習し、異なる点を各自でまとめておくこと。

240分
2

【香料とは】
・フレーバーの歴史と文化
・香料とは

フレーバーの歴史や香料について復習すること。有機化学の特に化学構造式と官能基について復習あるいは自学すること。

240分
3

【化学構造と香り】
・官能基による香りの分類、立体異性体と香り

官能基の名称が言えるように復習すること。異性体と香りの特徴について復習すること。レセプターとリガンドの関係性について予習すること。

240分
4

【嗅覚の仕組み①】
・主嗅覚における香気成分の受容と副嗅覚の機能について

主嗅覚と副嗅覚の仕組みについて復習すること。それを踏まえた上で、ヒトがどのように食べ物の香りを感じるかを文献を使って調べておくこと。

240分
5

【嗅覚の仕組み②】
・食べ物の香りの感じ方

食べ物の香りの感じ方(2つの経路)について正しく説明できるように復習すること。

240分
6

【香りの抽出と分析】
溶媒を用いた香り成分の抽出と分析

香りの抽出と分析方法について、復習すること。溶媒の特徴や抽出しやすい成分などについてまとめること。

240分
7

【香りの抽出と分析】
ヘッドスペースの香り成分の抽出と分析

ヘッドスペースの香りの抽出と分析方法について、特徴などを復習すること。

240分
8

【食品の香気成分①】
・果物、豆

果物、豆の香りについて復習すること。自宅にある食品の匂いを実際に嗅ぎ、どのような香りの特徴があるかなど、食品の香りを意識的に嗅いでみること。

240分
9

【食品の香気成分②】
・野菜、ハーブ、スパイス

野菜、ハーブ、スパイスの香りについて復習すること。自宅にあるスパイスなどの香りについても興味を持ち、香調をチェックしたり、 主要な香気成分などを調べたりしてまとめておくこと。

240分
10

【食品の香気成分③】
・肉類、魚介類、乳製品

肉類、魚介類、乳製品の香りについて復習すること。食品中に含まれる酵素や調理加工に伴う酵素反応について調べておくこと。

240分
11

【食品の調理・加工によって生成する香気成分①】
・酵素的生成

酵素的に生成する香りについて復習すること。食品における非酵素的褐変反応についても自学すること。

240分
12

【食品の調理・加工によって生成する香気成分②】
・非酵素的生成

非酵素的に生成する香りについて復習すること。発酵食品や醸造食品に関連する微生物について、調べておくこと。

240分
13

【微生物によって生成する香気成分①】
・酒類

酒類の製造に関わる微生物と、香りの生成について復習すること。みそや醤油など他の発酵食品についても香りの特徴などを予習すること。

240分
14

【微生物によって生成する香気成分②】
・みそ、醤油、その他発酵食品

みそ、醤油などの香りについて復習すること。

240分
15

理解度確認課題の実施(これまでの学習内容の確認、総括)

第1回から第14回までの内容を十分に復習すること。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
「香り」とは何か?について、化学構造や香りの特徴、嗅覚メカニズムに至るまで興味を持ち、理解できる。
最終的な理解度確認課題、提出物(レポートやワークシート等、香調表現シート等)の提出状況および内容により評価
生活に関わる「香り」のうち、食品の香りを総合的に理解し、食品品質に対する香りの重要性および評価方法を踏まえた上で、香りの利用や応用を考えることができる。
最終的な理解度確認課題、提出物(レポートやワークシート等、香調表現シート等)の提出状況および内容により評価
フレーバーの生産と研究について興味を持ち、加工食品の嗜好性に対しフレーバーがいかに重要かを理解できる。
最終的な理解度確認課題、提出物(レポートやワークシート等、香調表現シート等)の提出状況および内容により評価
成績評価基準・割合
最終的な理解度確認課題(嗅覚メカニズムが理解できていること。各種食品に含まれている香気成分の化学的な特徴、感覚的な香調および生成機構が理解できていること。微生物や調理加工によって新たに生成する香気成分の性質を化学的に説明できること。食品品質に対する香りの役割および重要性が理解できていること。以上の内容について正しい理解および課題の設問主旨を十分理解した上で回答できていることを評価基準とする。)60%、およびレポート課題や香調表現シート等の提出物40%で総合的に評価する。
フィードバックの方法
質問等はメール等で随時受け付ける。それに対してメールの返信あるいは授業の中で回答や解説を行う。
教科書
教科書:使用しない
参考書
参考書や推薦する書籍など:講義の中で随時紹介する。
オフィスアワー
  • 開始期間

    2022/04/12
  • 終了期間

    2022/07/26
  • 開始時間

    • 14:40
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    食品栄養学研究室(12号館6階)

備考

講義室での対面式授業を実施した場合には原則講義終了後(火曜)に質問等に対応する。メール等での予約を要する。
科目の特徴
備考
受講生の構成や希望、講義の進行状況により、重点的に講義する内容や省略する内容、関連事項を加えることがある。また、授業内容はスケジュールにより入れ替わる場合がある。香料などを嗅ぐこともある。香りの理解を深めるため簡単な調香をする可能性もある。
復習は必ず行うこと。また、化学および生物の知識を必要とする回もあるため、各自自学あるいは復習して講義に臨むこと。