科目ナンバー
12D3104/E3102
科目名
環境修復生物学
担当教員名・資格
相澤 朋子【専任講師】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
後期
学科・クラス指定等
くらしの生物学科のみ履修可能
履修条件
発酵科学、くらしのバイオテクノロジー、バイオサイエンス実験、微生物学実験を履修している事が望ましい。
授業の概要
本講義では地球環境の荒廃の原因、環境適応生物の解析手法、そして修復を目指した様々な応用的な試みについて理解することを目的としている。毎回の講義で重金属や有害物質による水・土壌汚染や酸性土壌など、地球環境の荒廃状況と生物の能力を利用した環境修復法を系統的に解説する。
学びのキーワード
公害、環境汚染、環境微生物、バイオレメディエーション、ファイトレメディエーション、リゾレメディエーション
授業の目的
重金属や有害物質による水・土壌汚染や酸性土壌など、地球環境の荒廃は人類だけでなく地球に存在する生命の生存を脅かしている。そのような劣悪環境においてもある種の生物(微生物や植物)は様々な環境適応能力を生かして生存しており、生物の能力を利用した環境修復法は様々な環境で有用であることが分ってきた。本講義では地球環境の荒廃の原因、環境適応生物の解析手法、そして修復を目指した様々な応用的な試みについて理解する。
授業方法
スライド動画と配布資料を併用して講義を行う。スライドでは、図・写真を用いて理解を助ける。スライドは文字数を減らすために要点を示すので、あとでノートを読み返したときに内容を思い出せるように、口頭での説明を補足として随時メモすること。Google Classroomやオンラインツールを利用して実施する。課題の出題と提出はGoogle Classroom経由で行う。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 公害、環境汚染についての原因と対策について説明できるようになること。
  • 環境中に存在する微生物を利用するために、定量・定性する手法を選び取れるようになること
  • 下水処理などの身近な環境浄化システムについて、その特徴などを説明することができること
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンス
 講義の進め方の説明、講義全体の内容・目標とスケジュール、質問等の対応、成績評価方法についての説明、参考図書、学習方法などの説明の後、導入部として講義で取り扱う「環境」とその対象(細菌、真菌、植物)を解説し、全体像を概観する。

事前準備として、「環境」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
2

地球環境の変遷
 水質、大気、土壌の汚染原因と公害病、地球温暖化、環境汚染について解説する。

事前準備として、「公害」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
3

環境修復微生物の解析方法(1)
 環境修復には植物や微生物を利用する。植物と異なり微生物はその大きさから様々な手法を用いて種類・分布・性質を調べる必要がある。微生物の定量方法について、培養法と非培養法について紹介しながら解説する。

事前準備として、「微生物群集」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
4

環境修復微生物の解析方法(2)
 微生物の細胞表層構造と成分を利用した定量、定性方法について解説する

事前準備として、「グラム染色」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
5

環境修復微生物の解析方法(3)
 環境微生物の種類と機能を解析するためにクローニングによるDNA配列解析方法の基礎を解説する。

事前準備として、「遺伝子組換え」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
6

生物による環境修復:バイオレメディエーション
 微生物や植物あるいは根圏などの植物-微生物共生系によるバイオレメディエーションについて解説する。

事前準備として、「バイオレメディエーション」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
7

重金属汚染環境の修復(1)
 重金属による環境汚染と浄化方法について、化学的手法と生物学的手法を紹介する。さらに重金属集積植物を用いたファイトレメディエーションについても解説する。

事前準備として、「重金属」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
8

重金属汚染環境の修復(2)
 重金属による環境汚染と浄化方法について、微生物を用いたバイオレメディエーションなどについて解説する。

事前準備として、「酸化・還元」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
9

バイオマス利用
 石油の使用で与える環境負荷と、微生物による環境へ低負荷な燃料生産を目指した試みについて解説する。

事前準備として、「バイオエタノール」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
10

酸性土壌(1)
 酸性土壌環境について成り立ち、分布、実際の環境の様子と問題点について解説する。

事前準備として、「酸性土壌」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
11

酸性土壌(2)
 酸性土壌環境について、植物酸性ストレス下での影響、アルミニウム過剰ストレスと耐性について解説する。

事前準備として、「アルミニウム」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
12

酸性土壌(3)
 酸性土壌環境について、微生物の酸性ストレス下での影響、アルミニウム過剰ストレスと耐性について解説する。

事前準備として、「根圏微生物」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
13

生物による廃水処理
 下水の歴史、BOD、廃水処理方法、活性汚泥法について解説し、微生物を用いた水質浄化についても解説する。

事前準備として、「活性汚泥法」について調べておく。復習として、配布した資料を基に、ノートを作成して知識の定着をはかる。

240分
14

これまでの学習内容の確認
 これまでのレポートの解説・学習内容のまとめレポートの出題についての説明を行う。授業アンケートについても説明する。

準備学習として、これまでの内容についてのノートをまとめておくこと。復習として、これまでのレポートのできなかった問題について、教科書とノートで確認すること。

240分
15

これまでの学習内容のまとめ
 学習内容のまとめレポートの正答と解説を行う。授業アンケートの結果について説明し、講義全体を振り返り、今後の改善予定についても説明する。

解説をもとに、自身の習熟度を確認する。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
公害、環境汚染についての原因と対策について説明できるようになること。
毎回のレポート・学習内容のまとめレポートへの取り組み
環境中に存在する微生物を利用するために、定量・定性する手法を選び取れるようになること
毎回のレポート・学習内容のまとめレポートへの取り組み
下水処理などの身近な環境浄化システムについて、その特徴などを説明することができること
毎回のレポート・学習内容のまとめレポートへの取り組み
成績評価基準・割合
通常のレポートの提出点50%、学習内容のまとめレポートの提出+成績50%により総合的に評価(100%)。授業内容を正しく理解していること。授業内容はスケジュールの都合により入れ替わる場合がある。
フィードバックの方法
各回出題するレポートに質問欄をつけており、各回のレポートの解説と質問・感想などを次回講義で紹介する。レポートの配信などはGoogle Classroom等を利用して実施する。
教科書
教科書は使用しない(参考用に配布資料を配布する)
参考書
植物栄養学(文永堂出版)、環境微生物学(化学同人)
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/09/17
  • 終了期間

    2024/01/31
  • 開始時間

    • 12:10
  • 終了時間

    • 13:00
  • 曜日

  • 場所

    Google Classroom、あるいは講義室

備考

質問への対応は、各回のレポートに記載欄をつけているため、随時受け付ける。回答については、次回講義や、Google Classroom等を利用することもある。
科目の特徴
  • ICTを用いた授業
  • Google Classroomを利用した講義内容の補足、資料の配信を行う。
備考