科目ナンバー
42D1104
科目名
基礎生物学(05)
担当教員名・資格
安倍 弘【特任教授】
単位数
2
配当年次
1年生
必修・選択
必修/選択
開講学期
前期
学科・クラス指定等
学科指定無し
全学科・クラス指定なし
履修条件
基本的には、高校時代の生物を選択していないことを前提に授業を行うが、簡単な四則演算の知識を必要とする。
履修条件に関しては特になし。
授業の概要
生物系統学という視点から、自然界における生物の進化的な関係を調べるために、生物の形態的な特徴に基づいて生物群間の関係を分岐図として構築する。さらに、構築した分岐図を使って、生物の持つ様々な形態的特徴が生物進化の過程を通してどのように変化してきたのかを考察する。
学びのキーワード
生物多様性、生物の系統と進化、自然界の階層、進化の視点
授業の目的
生物系統学という視点から、自然界の中で生物群をどのように認識するか、生物群間の関係はどのようにして調べるのか、得られた生物群間の関係を表わすパタンからどのような解釈が可能かというテーマについて、生物に刻まれている歴史をもとに探索するプロセスを通して、生物間の多様性がどのように生じてきたかを理解する。
授業方法
講義室で対面形式での講義を行う。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 生物の進化による歴史的な階層構造が理解できる。
  • 生物の様々な特徴から進化的な分岐関係を構築できる。
  • 生物の分岐関係から生物が持つ特定の特徴に関する進化シナリオを推定できる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

分類学とは何か:自然科学における分類学の位置づけを論じる。

準備学習:日常的な分類の意味を考える。
復習:分類とは何かを確認する。

240分
2

分類とは何か:分ける事はまとめること。物を「分類する」という行為はどのようなことを意味しているのかを論じる。

準備学習:分類の作業内容を考える。
復習:分類作業とは何かを確認する。

240分
3

学名の話:「イリオモテヤマネコ」は学名?生物に付けられている学名や通俗名などの名前は、どのような規則に基づいているのかを論じる。

準備学習:生物の学名とは何かを考える。
復習:学名とは何かを確認する。

240分
4

種分化のプロセス:祖先種から子孫種が生じるプロセスはどのようなものかを論じる。

準備学習:種分化とは何かを考える。
復習:種分化とは何かを確認する。

240分
5

類似の意味:相同と非相同。異なる生物間に見られる形態の類似がどのようなプロセスを経て生じるのかを論じる。

準備学習:生物が似ているとは何かを考える。
復習:生物が似ている意味を確認する。

240分
6

分類形質と評価:祖先形質と子孫形質の見分け方。生物が持つ形態形質のなかで、祖先がもともと持っていた形質と子孫に新たに生じた形質の見分け方を論じる。

準備学習:生物が持つ特徴とはどんなものかを考える。
復習:生物が持つ特徴を確認する。

240分
7

分岐分析の基礎:姉妹群をさがせ。生物の分岐分析とはどのような原理に基づくのかを論じる。

準備学習:生物の分岐関係の意味を考える。
復習:生物の分岐関係の意味を確認する。

240分
8

2種類の派生形質:共有派生形質と固有派生形質。分岐分析に用いる形質の中で共有派生形質と固有派生形質とはどのようなものかを論じる。

準備学習:生物の持つ特徴の新旧を考える。
復習:生物の持つ特徴の新旧の関係を確認する。

240分
9

単系統群と非単系統群:ワニはカメより鳥に近い?分岐分析により得られた系統関係をどのように読みとるかを論じる。

準備学習:分岐図の枝のまとめ方を考える。
復習:分岐図の枝のまとめ方を確認する。

240分
10

分岐図の選び方:進化は節約屋が好き?ある生物群に関して複数の系統関係が得られた場合、どの関係を採用するべきかを論じる。

準備学習:分岐図上での形質進化の回数を考える。
復習:分岐図の選び方を確認する。

240分
11

系統関係を調べる:分岐図を作ってみよう。昆虫編:昆虫のデータに基づいて実際に分岐解析を行う。

準備学習:分岐図作成手順の内容を考える。
復習:昆虫の分岐図作成方法を確認する。

240分
12

系統関係を調べる:分岐図を作ってみよう。植物編:植物のデータに基づいて実際に分岐解析を行う。

準備学習:分岐図作成手順の内容を考える。
復習:植物の分岐図作成方法を確認する。

240分
13

分岐図の評価:あなたが選ぶ分岐図。実際に解析を行った結果得られた分岐図をどのように評価するかを論じる。

準備学習:分岐図の選択手順を考える。
復習:分岐図の選択方法を確認する。

240分
14

分岐図は語る:花の色は何回進化した?実際に作成した分岐図からどのような事が読みとられるかを論じる。

準備学習:分岐図上の形質分布の意味を考える。
復習:分岐図からみた形質の進化シナリオを確認する。

240分
15

これまでの学習内容の確認を行なう。

準備学習:これまでの授業の内容を見直す。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
生物の進化による歴史的な階層構造が理解できる。
講義室で実施する期末テストにより評価する。
生物の様々な特徴から進化的な分岐関係を構築できる。
講義室で実施する期末テストにより評価する。
生物の分岐関係から生物が持つ特定の特徴に関する進化シナリオを推定できる。
講義室で実施する期末テストにより評価する。
成績評価基準・割合
成績評価基準:講義室で実施する期末試験による評価(分岐図の意味と形質の進化関係が理解できていれば合格)。15回目の授業内容はスケジュールの都合により変わる場合がある。
フィードバックの方法
講義室での質問事項については,その場で質問に対する回答を行うか次回の講義で質問に関する解説を行う。
教科書
教科書は指定しない。
参考書
参考書としては「分類思考の世界」・「系統樹思考の世界」三中信宏 著(講談社現代新書)などの生物分類関係の書籍。
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/10
  • 終了期間

    2023/08/14
  • 開始時間

    • 09:00
  • 終了時間

    • 18:00
  • 曜日

  • 場所

    4号館4階 生物学研究室

備考

特に曜日は問わない。
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • 学修者の能動的な学修への参加を取り入れる.
備考