科目ナンバー
42D1103
科目名
基礎化学(16)
担当教員名・資格
中村 篤博【准教授】
単位数
2
配当年次
1年生
必修・選択
選択/必修
開講学期
前期
学科・クラス指定等
学科指定無し
なし
履修条件
履修条件は特に設けないが,履修態度に配慮ができること,講義の復習や課題の提出など能動的な学習が必要である。
授業の概要
本講義では,後期開講科目「化学特論」と併せて,高等学校の化学基礎・化学で学修する内容を中心に扱う。化学結合や化学反応などの理論や仕組みとともに,化学量論計算が自分で正確に解けるようになることを目標とする。また,演習や課題に取り組むことで理解が深まるようにする。講義の復習や課題の提出など能動的な学習が必要である。
学びのキーワード
化学結合,物質量と化学反応式,化学量論,溶液の濃度,酸・塩基,酸化・還元
授業の目的
原子構造,化学結合,化学量論,代表的な化学反応に関する基本的な概念,原理,法則を理解する。また,自然科学に対する興味と探求の姿勢を育成する。
授業方法
書き込み形式の講義資料を用いて,基礎概念・理論を簡潔に解説する。その後,演習とその解説により理解が深まるように進める。また,小テストや課題を課すことで,基礎的な計算の確認や,化学の基礎となる化学結合,物質量と化学反応式,化学量論,各種化学反応を中心として内容が定着するようにする。
状況によって,一部オンデマンドで実施する場合がある。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 物質の構成,化学結合について理解している。また,金属の結晶格子について密度などの計算ができる。
  • 物質量の概念を理解し,溶液の濃度計算とともに,化学量論計算を正確に行うことができる。
  • 化学反応(酸と塩基,酸化と還元)について理解し,量論計算ができる。また,これらの応用について事例をあげて説明することができる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンス,原子構造
授業の概要・目標・評価方法・受講上の注意について説明する。後期開講科目「化学特論」についても触れる。
後半で原子構造を理解し,原子番号・質量数・中性子数などの関係について理解する。また,同位体について学ぶ。

(準備学習)シラバスを熟読し,高等学校の教科書などで内容を概観する。(1時間)
(復習)他の先生方のシラバスやガイダンス,開講時期,化学特論を見据えて自分にあった科目を選択する。必要に応じて受講相談する。(1時間)

120分
2

電子配置,イオン,周期表の概観
電子配置を理解し,イオンのできかたと電離について理解する。また,周期表の概観について説明する。

(準備学習)電子配置,イオン,周期表について参考書を読んでくる。指数の扱いについて理解しておく。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
3

元素の周期律,粒子の結合
周期表での原子の大きさやイオン化エネルギーなど傾向を理解する。また,イオン結合と共有結合を理解し,個々の小さな粒子がどのような仕組みで結合しているかを学ぶ。

(準備学習)元素の周期律,イオン結合と共有結合について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
4

共有結合,電気陰性度
共有結合の仕組みと分子の形,極性・無極性について理解し,電気陰性度から各種化学結合を理解する。

(準備学習)共有結合,電気陰性度について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
5

化学結合のまとめ,結晶の分類と性質
原子間,分子間の結合についてまとめる。また,イオン結晶,共有結合結晶,分子結晶,金属結晶の分類と性質の違いを学ぶ。

(準備学習)化学結合,結晶の分類と性質について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
6

物質量
原子量・分子量・式量と物質量について理解する。物質量は化学反応における量的関係を知る上で化学全般にわたって重要な概念なので,演習などを通じてその扱いを体得する。

(準備学習)原子量・分子量・式量と物質量について参考書を読んでくる。指数計算について理解しておく。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
7

物質量と気体,溶液の濃度
物質量と気体の体積の関係,質量パーセント濃度,モル濃度,密度といった基本的な定義を学び,それらを組み合わせて自由に扱えるようにする。

(準備学習)物質量と気体の体積,質量パーセント濃度,モル濃度,密度について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の問題を解き直す。(2時間)

240分
8

小テスト1,化学反応式と物質量
原子構造,化学結合,物質量に関する小テストに取り組み理解度を確認する。その後,化学変化を化学反応式やイオン反応式で表すことを学び,それと物質量の関係を学ぶ。

(準備学習)原子構造,化学結合や物質量の復習をして小テストに備える(4時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

360分
9

化学反応と量的関係
化学反応式とその量的関係について,過不足が生じる場合の計算方法について学ぶ。

(準備学習)化学反応と物質量は質量など各種量的関係,過不足が生じる場合の計算について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。物質量と化学反応式に関する復習をする。(2時間)

240分
10

酸・塩基
酸・塩基の定義や酸性・塩基性についてその本質を学ぶ。また,基本的な酸・塩基反応についてその仕組みを理解する。

(準備学習)酸と塩基の性質について参考書を読んでくる。前提知識となるイオンについて復習しておく。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
11

電離度,水の電離と水溶液のpH
酸,塩基の強弱と電離度の関係を学ぶ。また,水の一部は電離していること,酸性・塩基性の程度をpHで表すことを理解する。水のイオン積についても理解する。

(準備学習)電離度,水の電離と水溶液のpHについて参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
12

中和と塩,中和滴定
中和と中和反応の結果生成する塩について学ぶ。また,中和滴定による濃度決定の計算について理解する。

(準備学習)中和と塩,中和滴定について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
13

酸化と還元の定義
酸化・還元反応は,電子の授受によるところを理解する。また,酸化数の概念を理解する。

(準備学習)酸化・還元について参考書を読んでくる。前提知識となるイオンについて復習しておく。(2時間)
(復習)酸化・還元の定義を自分で確認するとともに講義資料の復習と参考書の問題を解く。(2時間)

240分
14

小テスト2,酸化剤と還元剤の反応
物質量と化学反応式,酸・塩基,酸化・還元に関する小テストに取り組み,理解度を確認する。酸化剤と還元剤の化学変化の仕組みを理解し,様々な反応式が書けるようにする。

(準備学習)酸化剤と還元剤の反応について参考書を読んでくる。(2時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。酸・塩基,酸化・還元の復習を行い,小テストに取り組む。(4時間)

360分
15

小テストの返却,評価に関する説明,
酸化・還元反応
小テストを返却し,解答する。配点や成績評価について再度確認する。酸化・還元反応について応用分野について簡単に触れる。

(準備学習)酸化・還元反応の応用(電気化学)について参考書を読んでくる。(1時間)
(復習)講義資料の復習と参考書の問題を解く。(1時間)

120分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
物質の構成,化学結合について理解している。また,金属の結晶格子について密度などの計算ができる。
課題・小テスト
物質量の概念を理解し,溶液の濃度計算とともに,化学量論計算を正確に行うことができる。
課題・小テスト
化学反応(酸と塩基,酸化と還元)について理解し,量論計算ができる。また,これらの応用について事例をあげて説明することができる。
課題・小テスト
成績評価基準・割合
小テスト60%,課題40%で評価する。講義で扱った基本的な知識の定着や計算問題を正確に解けることを評価の基準とする。
試験(小テスト)(13回目~15 回目の授業内容はスケジュールの都合により入れ替わる場合がある。)
フィードバックの方法
小テストを返却し,解答をする。
教科書
講義用資料を配布する。
既に持っているもので良いので,高等学校の化学基礎の教科書か参考書を用意することが望ましい(必須ではない)。
参考書
指定しない。
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/10
  • 終了期間

    2023/07/31
  • 開始時間

    • 12:10
  • 終了時間

    • 13:00
  • 曜日

  • 場所

    4号館5階化学(2)研究室,メール

備考

オフィスアワー以外にも質問などは随時,対応します。
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • 講義資料に書き込みながら進めていく。また,問題を解いてもらい,後日,解説あるいは解答を配布する。
備考
計算は電卓を使用して良い。講義用資料はデータファイルをGoogle Classroomから配布する。