科目ナンバー
06E3302
科目名
バイオマス資源利用学実験
担当教員名・資格
木口 実【教授】 倉田 洋平【専任講師】 毛利 嘉一【専任講師】
単位数
1
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
前期後半
学科・クラス指定等
森林資源科学科のみ履修可能
履修条件
2年次で開講される「森林資源化学」「バイオマス資源利用学」「森林資源化学実験」の履修を前提に実施するので,それらの科目履修が望ましい。
授業の概要
木材からのパルプ製造実験として,現在の紙パルプ産業で行われている製造工程(クラフトパルプ化、カッパー価、漂白)を行い森林資源の工業的利用技術を理解する。パルプ製造工程で生成したリグニンから有用化学物質を製造するためのリグニン分解反応を理解する。木材から得られたセルロースを、酵素を用いてグルコースに糖化する酵素加水分解法を理解する。バイオマス成分の特性とその利用法を学ぶとともに,実験結果のレポート作成法を習得させる。
到達目標:森林資源の産業利用技術(パルプ製造と木材化学工業)を理解する。
学びのキーワード
化学パルプ製造,蒸解試薬分析,中和滴定,クラフトパルプ製造、カッパー価、パルプ漂白,ニトロベンゼン酸化、バニリン製造,セルラーゼ,酵素糖化
授業の目的
木材からのパルプ製造実験として,現在の紙パルプ産業で行われている製造工程(クラフトパルプ化、カッパー価、漂白)を行い森林資源の工業的利用技術を理解する。パルプ製造工程で生成したリグニンから有用化学物質を製造するためのリグニン分解反応を理解する。木材から得られたセルロースを、酵素を用いてグルコースに糖化する酵素加水分解法を理解する。バイオマス成分の特性とその利用法を学ぶとともに,実験結果のレポート作成法を習得させる。
授業方法
実験項目及び実験手順,実験の注意事項等を記述したテキストを用いる。また、実験開始前に実験の基本操作や注意点について作成した動画を配信し、これを視聴しておく。
実験では,テキストにあるその日の実験内容についてあらかじめ予習し,当日の実験が始まる前に各自実験手順の詳細を書いた実験ノートを提出する。それを教員がチェックした後に,当日の実験内容,器具の使い方などについて充分な説明を行い,実験を開始する。実験終了後は,提出期限までに実験レポートを提出する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 森林資源の産業利用技術(パルプ製造と木材化学工業、木質建材産業)を理解する。
授業計画
回数 授業内容
1

バイオマス利用学実験ガイダンス
バイオマス利用学実験で注意する点(服装,安全メガネの着用,火災,有毒ガス,器具の取り扱い方,実験台の整理など)
2年次に行った木材化学実験との関連および相違点などの説明
日本大学生物資源科学部における化学薬品の管理,購入システムの説明
日本大学生物資源科学部における実験廃液の処理システムに関する説明
実験器具の説明と配布

2

パルプ製造実験(クラフト 法による蒸解)
蒸解薬液の調製と分析(中和滴定,ヨウ素滴定法によるNaOH, Na2CO3, Na2Sの分析)
木材チップのクラフト 蒸解法によるパルプ製造(高圧反応槽を用いた化学反応)

3

パルプ製造実験(クラフト 法による蒸解)-2
クラフト パルプの収率
カッパー価の測定
クラフトパルプの漂白
漂白パルプの収率

4

木材リグニンからの有用物質の製造-1
クラフトリグニンの分離、精製(脱塩、乾燥)
クラフトリグニンのアルカリ性ニトロベンゼン酸化(高圧反応容器による化学反応)

5

木材リグニンからの有用物質の製造-2
クラフトリグニンのアルカリ性ニトロベンゼン酸化反応生成物の分離抽出
クラフトリグニンのアルカリ性ニトロベンゼン酸化反応生成物の
クロマトグラフィー(TLC)によるバニリン生産量の確認と評価

6

木材パルプの酵素糖化-1
セルロース・紙の酵素(セルラーゼ)による加水分解実験


7

木材パルプの酵素糖化-2
Somogyi-Nelson法による還元糖(還元末端)定量
還元糖(還元末端)定量の検量線
セルロース・紙の酵素(セルラーゼ)による反応生成物の還元末端定量と解析(Somogyi-Nelson法による還元糖(還元末端)定量)

8

実験結果の整理、記述法、考察のポイントなどレポートの作成に関する指導

到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
森林資源の産業利用技術(パルプ製造と木材化学工業、木質建材産業)を理解する。
実験に対する態度、操作法、レポートの提出により総合的に評価する。。
実験手法を理解するとともに,「結果」を考察できるかどうかを基準とする。
成績評価基準・割合
レポートの提出とこれによる実験の理解度を評価する。
実験手法を理解するとともに,「結果」を考察できるかどうかを基準とする。
フィードバックの方法
提出されたレポートについてコメントし、理解を深める。
教科書
オリジナルの実験テキストを使用する。
参考書
日本木材学会編「木質バイオマスの利用技術」文永堂出版
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/10
  • 終了期間

    2023/08/04
  • 開始時間

    • 17:00
  • 終了時間

    • 19:00
  • 曜日

  • 場所

    担当教員の実験室(10号館5階)または担当教員のメールアドレスとする。

備考

質問などはメールあるいはGoogle Classroomにより随時受け付ける。
科目の特徴
  • ICTを用いた授業
  • Google ClassroomやGoogle Meet等を利用して実施する。
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 国立研究開発法人森林総合研究所で長年木材の化学的改質の研究を行っていた教員が、自らの実験の経験を踏まえて指導する。
備考