科目ナンバー
06C3203
科目名
森林水文気象学演習
担当教員名・資格
小坂 泉【准教授】 瀧澤 英紀【教授】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
前期
学科・クラス指定等
森林資源科学科のみ履修可能
履修条件
森林水文気象学と本演習で配布された資料を必ず熟読のうえ出席すること。
履修は森林水文気象学の単位取得者のみとする。
授業の概要
本演習では、森林水文気象学で学習した土壌―植物―大気の水・熱移動,樹冠上の二酸化炭素フラックスや土壌呼吸などについて,実際に観測を行い(場合によっては、各測定に関する動画を聴講)、これらの測定結果をまとめたレポートを提出する。具体的には、土壌サンプリングおよび間隙率の測定、降雨に伴う土壌水分の変動についての連続観測、土壌の透水係数の測定、土壌水分特性曲線の作成、土壌呼吸の測定などを行う。
学びのキーワード
土壌の保水性,透水性,緑のダム,森林土壌、土壌呼吸
授業の目的
森林には緑のダムと一般に認識されている公益機能がある。その主役は森林土壌である。森林土壌の固相,液相,気相の割合や保水性,透水性について測定し,圧力ポテンシャルと体積含水率の関係や圧力ポテンシャルと透水係数の関係などを理解し,フィールドで得られた測定結果から緑のダムのメカニズムを認識できるようになることを目的とする。
授業方法
授業ごとに資料を配布し各測定を行うが、場合によっては、各測定に関する動画を聴講する。
各テーマごとに課題およびレポートを提出する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 土質計算および土壌のサンプリングの方法を理解し、土壌の三相組成について説明できる。
  • 土壌の透水性や保水性を理解し、それらの測定結果を適切にとりまとめることができる。
  • 土壌呼吸および土壌中の二酸化炭素濃度の変動特性を理解し,測定結果を適切にとりまとめることができる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

ガイダンスにより授業の流れを理解する,土壌の物理性に関する演習問題を行い,土の性質の理解を深める。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌の物理性に関する演習問題の模範解答を参考に、授業内容を復習する。

120分
2

土壌サンプリングを行い,実容積計を用いて固相率を測定し(場合によっては実施している動画を聴講)、土の三相組成を求める。これより森林地の表層土壌は孔隙率が高いことを理解する。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌三相計の使用方法を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
3

圧力ポテンシャル:土壌の小孔隙の毛管力による圧力ポテンシャルを理解する。重力ポテンシャルと圧力ポテンシャルの合計によりテンシオメータの目盛りが決まることを理解する。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。テンシオメータの使用方法を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
4

テンシオメータおよび雨量の測定(場合によっては測定している動画を聴講)により、降雨により土壌の圧力ポテンシャルが変動する様子を観測した結果に基づき、マトリックポテンシャルの変動特性を理解する。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。テンシオメータの使用方法を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
5

数週間、連続測定したテンシオメータおよび雨量のデータを図化し、気象条件と水分ポテンシャルの関係についてまとめる。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。テンシオメータの使用方法を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
6

土壌水分特性曲線:土壌の保水性と透水性が圧力ポテンシャルを介して表現される理由を学ぶ。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。配布資料の見直し、土壌の保水性と透水性を理解し、土壌サンプルの採取方法を復習する。

120分
7

深度20cmおよび40cmの土壌サンプルを採取した試料を用いて、土壌水分特性曲線および飽和透水係数を求める。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。配布資料の見直し、土壌サンプルの採取方法を復習する。土壌の保水性と透水性を理解する。

120分
8

土壌水分特性曲線:砂柱法による測定し(場合によっては実施している動画を聴講)、砂柱法の測定原理を李理解する。
(マトリックポテンシャル:0.3kPa, 0.5kPa, 1kPaおよび2kPa)

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。砂柱法の使用方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
9

土壌水分特性曲線:加圧板法による測定し(場合によっては実施している動画を聴講)、加圧版法の測定原理を理解する。
(マトリックポテンシャル:5kPa, 10kPaおよび20kPa)

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。加圧板法の使用方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
10

土壌水分特性曲線:砂柱法および加圧板法により得れらたデータをとりまとめ、θーψ関係を図化し、各深度の土壌水分特性曲線の違いについてまとめる。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌水分特性曲線について理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
11

飽和透水係数の測定:定水位法による飽和透水試験を実施し(場合によっては実施している動画を聴講)、ダルシー式から飽和透水係数を求める。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。定水位法の使用方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
12

赤外線ガスアナライザーを用いた閉鎖循環式チャンバー法により、土壌呼吸の測定を実施し(場合によっては実施している動画を聴講)、地温および土壌水分の変動が土壌呼吸に与える影響を調べる。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌呼吸の測定方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
13

土壌中の二酸化炭素濃度を測定し(場合によっては実施している動画を聴講)、土壌中の二酸化炭素濃度の鉛直分布の特徴をまとめる。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌呼吸の測定方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
14

Fickの第一法則より土壌中の二酸化炭素の移動量を算出した結果にに基づき、土壌中の二酸化炭素濃度と土壌呼吸の関係や、土壌の三相組成との関連性についてまとめる。

2年次に履修した森林水文気象学で配布された資料および講義ノートを熟読し、演習に参加する。土壌呼吸の測定方法および原理を予習して理解する。配布資料の見直し、得られた測定結果をレポートに取りまとめる。

120分
15

実習全体で見えてくる緑のダムのメカニズムをまとめる。

実習全体で見えてくる緑のダムのメカニズムをレポートにとりまとめる。

120分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
土質計算および土壌のサンプリングの方法を理解し、土壌の三相組成について説明できる。
レポートおよび課題の提出物により評価(30%)
土壌の透水性や保水性を理解し、それらの測定結果を適切にとりまとめることができる。
レポートおよび課題の提出物により評価(35%)
土壌呼吸および土壌中の二酸化炭素濃度の変動特性を理解し,測定結果を適切にとりまとめることができる。
レポートおよび課題の提出物により評価(35%)
成績評価基準・割合
レポート(内容・表現・文章力など)60%,課題などの提出物の評価40%,合計100点とすると、60点以上を合格とする。
フィードバックの方法
提出したレポートを添削し、それを返却する。
教科書
「森林水文学」塚本良則 編(文永堂出版)
参考書
指定しない
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/13
  • 終了期間

    2023/07/27
  • 開始時間

    • 16:00
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    10号館5階 森林環境保全学研究室

備考

Google Classroomのコメント機能等を用いて常時質問を受け付ける。
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • 協働学習、学生によるレポート作成、添削したものを返却
備考