科目ナンバー
07E2102
科目名
水産利用学
担当教員名・資格
松宮 政弘【特任教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
必修
開講学期
後期
学科・クラス指定等
海洋生物資源科学科のみ履修可能
履修条件
2年次の「水産利用学実験」、「食品微生物学」を受講しておくことが理解する上で望ましい。
授業の概要
海洋生物を主に食品加工原料や機能性素材として有効利用するために,まず海洋生物の特殊性を知り、さらに何らかの処理を施すことにより実用価値または経済的価値を付与する方法を学ぶ。これに関連する海洋生物の各種原料としての死後変化および鮮度判定法,主要な水産加工食品の製造法などを解説する。
学びのキーワード
水産加工品、製造方法、水産物の原料特性、魚介類の成分、魚介類の死後変化
授業の目的
水産利用学は水産物に何らかの処理を施すことにより、実用価値または経済的な付加価値を与えることを目的とするものである。水産物の加工原料としての特性およびそれに適した水産加工品の製造方法について学び、水産加工食品原料としての海洋生物資源の重要性の理解とその有効利用方法を身につける。(海洋生物資源応用コースの学習・教育目標、(F)-③: 食料および有用物質資源としての海洋生物の重要性と利用に関する問題点を説明できる。に相当する)
授業方法
講義室における対面授業を予定しているが、状況によりオンデマンド方式の併用またはオンデマンドでの講義を行う。必要に応じてプリント配布またはPDF等で資料を配布する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 水産物の加工原料としての特性を説明できる。
  • 魚介類の死後変化を説明できる。
  • 水産加工品の製造方法を説明できる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

水産物の利用 ・食料としての水産物 ・水産物の特性:鮮度低下が速い、漁場漁期が限定的 ・漁業生産と輸出入の概況:漁業生産、水産物の輸出、水産物の輸入

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
2

水産物の利用 ・水産加工品の分類と生産の概況:加工品の分類、冷凍水産物、冷凍食品、乾製品、燻製品、塩蔵品、缶詰・瓶詰・レトルト食品、魚肉ねり製品、発酵食品、調味加工品、海藻工業製品、油脂・飼肥料 ・加工品の生産

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
3

水産物の性状 ・魚介類筋肉の成分:一般成分、タンパク質(筋形質タンパク質,筋原繊維タンパク質,筋基質タンパク質)、脂質、炭水化物、無機質、色素

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
4

水産物の性状 ・魚介類の死後変化と鮮度:死後硬直、解硬及び自己消化、腐敗(トリメチルアミンオキシドの還元,尿素の分解,アミノ酸の分解)、鮮度判定(官能検査,揮発性塩基窒素,トリメチルアミン,アミン類,K値,揮発性酸, 電気抵抗,生菌数,バイオセンサ)

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
5

冷蔵冷凍品 ・低温による貯蔵原理:低温と酵素、低温と微生物 ・冷蔵法:氷蔵法、冷却貯蔵、スーパーチリング ・水産物の冷蔵法(選定,水洗,切断処理) ・凍結法:食品の凍結理論、凍結法の種類、水産物の凍結法 ・冷凍食品:冷凍食品とは、加工基準と保存基準、

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
6

冷蔵冷凍品 調理冷凍食品の製造法 ・凍結貯蔵温度と貯蔵期間 ・凍結貯蔵中の物理的変化:成分の濃縮、膨張と内圧、乾燥 ・凍結貯蔵中の化学的変化:タンパク質の変性、脂質の劣化、変色 ・冷凍品の流通:低温流通体系、品質保持 ・解凍:解凍条件、解凍方法、解凍魚の品質

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
7

乾製品 ・概要 ・乾燥による貯蔵性獲得の原理:食品中の水、水分活性、微生物の繁殖と水分活性、乾製品の貯蔵性と水分活性 ・乾燥法:乾燥理論、乾燥法の種類 ・各種乾製品の製造:素干し品、煮干し品、塩干し品、凍乾品、海藻乾製品、節類 ・乾製品の貯蔵:吸湿と乾燥、虫害とその防除、貯蔵中の品質低下

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
8

燻製品 ・燻製による貯蔵原理:貯蔵性と水分活性、燻煙成分と保存効果 ・燻製法:原料、燻製室、燻材、冷燻法、温燻法 ・各種燻製品の製造:冷燻品、温燻品、調味燻製品 ・燻製品の貯蔵

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
9

塩蔵品 ・概要 ・塩蔵による貯蔵原理:食塩の防腐効果、貯蔵性と水分活性 ・塩蔵法:塩蔵法の種類、塩蔵中における食塩の浸入 ・各種塩蔵品の製造:魚類塩蔵品、魚卵塩蔵品、海藻塩蔵品 ・貯蔵中の品質劣化:微生物による劣化、自己消化、脂質の酸化、貯蔵性と用塩量

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
10

缶詰,瓶詰,レトルト食品 ・密封加熱食品の歴史 ・密封加熱による貯蔵原理:密封加熱食品の変敗と微生物 ・容器:金属缶、ガラス瓶、レトルト食品用容器 ・一般的製造法:脱気、巻締、殺菌、冷却、水産缶詰、水産瓶詰食品 ・製造、貯蔵中における品質変化:容器の変化、内容物の化学的変化 ・規格と検査

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
11

魚肉ねり製品 ・かまぼこ製造原理:タンパク質と水和、かまぼこの弾力 ・原料:原料魚、副資材、冷凍すり身 ・かまぼこ製造:かまぼこの種類、一般的製造法、各種かまぼこの製造、かまぼこの品質鑑定、かまぼこの変敗 ・魚肉ハム・ソーセージの製造:魚肉ハム、魚肉ソーセージ

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
12

調味加工品 ・調味:調味による貯蔵原理、保存性と水分活性 ・調味煮熟品:佃煮の味の遍歴、原料、調味料、一般的製造法、主な調味煮熟品の製造 ・調味乾製品:主な調味乾製品の製造

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
13

海藻工業製品 ・寒天:寒天の製造法、性質と用途、生理機能 ・アルギン酸:アルギン酸の製造法、性質と用途、生理機能 ・カラギーナン:製造法、性質と用途、生理機能

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
14

フィッシュミール、魚油、その他水産加工品 ・フィッシュミール:製造工程、利用と栄養 ・魚油:製造工程、利用、生理活性 ・エキス:一般的製造法、各種魚介類エキスの製造 ・食品素材:種類、各種食品素材の製造 ・キチン・キトサン:製造法、用途 ・コンドロイチン硫酸、・プロタミン

各回の授業に出てくる専門用語は調べておく(予習2時間)。講義で説明を受けた内容等は参考書で調べ,深く理解する(復習2時間)。

240分
15

これまでの学習内容の確認

これまでの授業に出てきた専門用語を見直しておく(予習2時間)。再度,これまでの学習内容を深く理解する(復習2時間)。

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
水産物の加工原料としての特性を説明できる。
水産物の加工原料としての特性について、3つの例を挙げて説明できるかを問う。
魚介類の死後変化を説明できる。
魚介類の死後変化を、死後硬直・自己消化・微生物の生育に分けて説明できるかを問う。
水産加工品の製造方法を説明できる。
代表的な水産加工品の加工法について、3つの例を挙げて説明できるかを問う。
成績評価基準・割合
対面授業(一部オンデマンド併用を含む)で実施した場合は加工原料としての水産物の特性、代表的な水産加工品の加工法とその原理に関する基本的な事項の理解度を問う試験(70%)およびレポート(30%)により評価する。オンデマンド授業(一部対面授業を含む)で実施した場合は、加工原料としての水産物の特性、代表的な水産加工品の加工法とその原理に関する基本的な事項の理解度を問う複数回のレポート(100%)により評価する。
フィードバックの方法
各自の答案またはレポートをもとに出題者が説明する。
教科書
参考書:「水産食品の加工と貯蔵」小泉千秋・大島敏明編恒星社厚生閣
参考書
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/09/19
  • 終了期間

    2024/01/23
  • 開始時間

    • 14:30
  • 終了時間

    • 17:00
  • 曜日

  • 場所

    10号館3階 海洋生物資源利用学研究室(状況により、Google Classroom)

備考

表記時刻で都合が悪い場合は、木曜日の昼休みに来てください。
科目の特徴
備考