科目ナンバー
02F2302
科目名
微生物学実験
担当教員名・資格
中川 達功【教授】 土屋 雄揮【専任講師】 高橋 令二【特任教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
必修
開講学期
前期後半
学科・クラス指定等
生命化学科のみ履修可能
履修条件
基礎的な微生物学、生物学の知識が備わっていること。1年次開講の「微生物学」の内容が十分理解できていること。
授業の概要
ヨーグルトからの乳酸菌分離や土壌からの酵素生産微生物の純粋分離の実験を通して、次の微生物の取り扱いに関する知識を身につけ、実践的操作を実施できるようになる。民間企業や国の研究機関で研究員として実務経験を有する教員が野外調査法、実践的微生物学実験法、および高度解析法を指導する。
(1)目的外微生物を混ぜない方法。(2)微生物実験の危険性の理解。(3)発酵食品から乳酸菌の分離方法。(4)好気性と通性嫌気性。(5)希釈平板法による細菌の生菌数の算出方法。(6)保存方法。(7)土壌からの細菌の純粋培養方法。(8)培地作成の方法と菌体接方法。(9)胞子(芽胞)の熱抵抗性試験。(10)顕微鏡用標本の作製、顕微鏡の操作、グラム染色。
学びのキーワード
微生物、分離培養、ヨーグルトの作製、土壌、酵素生産バクテリア、オートクレーブ滅菌法、希釈平板法、無菌操作法、乾熱滅菌法、穿刺培養、生菌数測定法 (Colony Formation Unit)、画線培養法、純粋分離法、グラム染色、大腸菌、納豆菌、酵母、コウジカビ、乳酸菌
授業の目的
ヨーグルトからの乳酸菌の分離や土壌からの酵素生産微生物の純粋分離の実験を通して、微生物の魅力を感じるとともに、次の実践的操作技術を理解し、実施できるようにする。実験データ解析法、実験レポートの書き方、プレゼンテーション法を身に付け、科学的データに基づく討議への参加ができるようにする。
授業方法
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、対面授業とオンデマンド授業を併用する。当実験履修者を水曜日に対面式実験を実施するグループと木曜日に対面式実験を実施するグループに分ける。対面式実験では「実験1 ヨーグルトからの乳酸菌の分離培養とヨーグルトの作製」を実施する。オンデマンド式実験では「実験2 土壌から酵素生産バクテリアの純粋分離」を実施する。各回ともオンデマンド式講義動画を視聴後、動画内容の課題を提出する。その後、実験操作の動画を視聴し、動画内容の課題を提出する。さらに、実験動画を視聴後、実験ノートに実験結果を記録する。実験終了後には実験内容についての質問課題や学生と教員とでディスカッションをすることにより理解を深め、質問票による討議を実施する。実験データーと引用文献に基づくレポートの書き方とコンピューターを使用したプレゼンテーション方法を身に付ける。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 微生物の培養作業を安全に進めることができる(DP1)。微生物の顕微鏡観察を実施することができる(DP4)。微生物活性実験を実施することができる(DP4)。環境中の生菌数を算出することができる(DP3)。微生物の種を同定できる(DP4)。
  • 実験データーを説明できる(DP4)。微生物学の図書および論文を検索・収集できる(DP6)。
  • 実験班の班員または教員と討議することができる(DP8)。
授業計画
回数 授業内容
1

< 微生物の取扱いと安全教育(バイオハザード)>
対面式

2

<実験1 ヨーグルトからの乳酸菌の分離培養とヨーグルトの作製>
1-1 乳酸菌用の平板培地の作製(オートクレーブ滅菌法の習得)
対面式

3

1-2 希釈平板法 (乳酸菌)(希釈平板法、無菌操作法の習得)
対面式

4

1-3 乳酸菌の生菌数 (Colony Formation Unit) の算出(生菌数測定法の習得)、スタブ培地の作製と乳酸菌の接種(穿刺培養法の習得)
対面式

5

1-4 ヨーグルトの作製(乾熱滅菌法の習得)
対面式

6

1-5 ヨーグルト内の乳酸濃度測定(マイクロプレートリーダーを用いた比色定量法の習得)、ヨーグルトのpH測定
対面式

7

1-6 乳酸菌のグラム染色(Hucker変法を用いた顕微鏡観察法の習得)
対面式

8

1-7 口頭発表会(パワーポイントを使用した発表スライドと発表原稿の作成法の習得)
対面式

9

<実験2 土壌から酵素生産バクテリアの純粋分離>
2-1 カゼイン入りグルコース寒天平板培地の作製(オートクレーブ滅菌法の習得)
オンデマンド式

10

2-2 土壌サンプリング(乾熱滅菌法の習得)、2-3 希釈平板法 (タンパク質分解酵素分泌細菌のスクリーニング)(希釈平板法、無菌操作法の習得)
オンデマンド式

11

2-4 タンパク質分解酵素を分泌するバクテリアの生菌数 (Colony Formation Unit) の算出(生菌数測定法の習得)
オンデマンド式

12

2-5 画線培養(画線培養法、無菌操作法の習得)
オンデマンド式

13

2-6 タンパク質分解酵素分泌バクテリアの純粋分離(純粋分離法の習得)
オンデマンド式

14

2-7 熱抵抗性試験(無菌操作法の習得)
オンデマンド式

15

2-7 分離菌のグラム染色、レポート作成(Hucker変法を用いた顕微鏡観察法の習得、レポートの書き方の習得)
オンデマンド式

到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
微生物の培養作業を安全に進めることができる(DP1)。微生物の顕微鏡観察を実施することができる(DP4)。微生物活性実験を実施することができる(DP4)。環境中の生菌数を算出することができる(DP3)。微生物の種を同定できる(DP4)。
実験参加姿勢(実験ノートの確認)、レポートの内容、質問
実験データーを説明できる(DP4)。微生物学の図書および論文を検索・収集できる(DP6)。
レポートの内容、プレゼンテーション、質問
実験班の班員または教員と討議することができる(DP8)。
討議への参加
成績評価基準・割合
実験参加姿勢(56点)、レポート(15点)、プレゼンテーション(15点)、質問(4点)、質問票を用いた討議(10点)による総合評価
微生物の培養、観察に関する基礎的な知識と技術を理解し、実験の目的、および結果と考察を説明し、まとめることができれば合格(60点以上)。
フィードバックの方法
返却されたレポートの解説を実施する。
実験終了後に質問による理解度の把握と向上を行う。
教科書
微生物学実験書
参考書
1年次「微生物学」で使用した「微生物学」青木健次編著 化学同人
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/01
  • 終了期間

    2023/08/12
  • 開始時間

    • 13:00
  • 終了時間

    • 18:00
  • 曜日

  • 場所

    講義室、学生実験室、研究室、およびGoogle Classroomで質問に対応

備考

オフィスアワーの時間帯で、Google Classroomで質問に対応
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • ミニッツクイズ(Google Classroomによる学生の理解度の把握)、口頭発表
  • 情報リテラシー教育を含む授業
  • レポートの引用文献の探し方と選別方法の学習
  • ICTを用いた授業
  • Google Classroomによる学生の理解度の把握
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 民間企業や国の研究機関で研究員として実務経験を有する教員が野外調査法、実践的微生物学実験法、および高度解析法を指導する。
備考