科目ナンバー
02D2103
科目名
酵素化学(再)
担当教員名・資格
荻原 淳【教授】
単位数
2
配当年次
2年生
必修・選択
必修
開講学期
前期
学科・クラス指定等
生命化学科のみ履修可能
生命化学科3年次、4年次の再履修学生のみ受講を許可する。
履修条件
1年次の開講科目である「生物化学Ⅰ」、「有機化学」の内容を良く理解し予習しておく。授業内容を参考図書などを参考に復習し理解を深める。
授業の概要
生命を維持するための種々の化学反応は,生体触媒である酵素によって行われることから,生命・生体現象を解析し,理解するためには,酵素の特性と触媒機構に関する基本的知識を学び,理解することが重要である。そこで本講義では,酵素の一般的な特性,反応速度とその調節機構,酵素タンパク質の構造と活性発現,触媒活性の分子機構,補酵素の働きと酵素反応,酵素遺伝子の発現と酵素の生合成など,生命活動維持に果たす酵素のダイナミックな役割について講述する。
学びのキーワード
反応速度、タンパク質、活性発現、補酵素、活性調節
授業の目的
生体内の種々の反応は生体触媒である酵素によって行われる。生体現象を解析し、正しく理解するためには、酵素の特性と触媒機構に関する基本的知識を学び、理解することが重要である。このような観点から、本講義では、酵素の一般的な特性、反応速度とその調節機構、酵素タンパク質の構造と機能、触媒活性の分子機構、補酵素の働きと酵素反応、酵素遺伝子の発現と酵素の生合成などについ習得する(A-1,2に対応)。さらに、酵素開発研究や工業生産技術開発などの考え方も身につけたい(A-3に対応)。これら得られた知識や技術開発方法を整理融合し、課題の認識から問題解決に至るプロセスを実践できるようにすることを目的とする(A-4,5,8に対応)。
授業方法
対面講義またはオンデマンドによる講義データを配信し視覚的に講義を進める。基本的な知識の学び状況や応用力を習得状況を確認するために課題を出題配信やレポート作成を実施する。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 酵素の特性と触媒機構に関する基本的知識を学び、理解することができる(A-1,2に対応)
  • 酵素開発研究や工業生産技術開発方法などを理解できる(A-3に対応)
  • 酵素開発研究や工業生産における課題の認識から問題解決に至るプロセスを考えることができる(A-4,5,8に対応)
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

序論(酵素の定義、酵素研究の歴史、分類、命名法):酵素の定義、酵素研究の歴史、分類、命名法について具体的に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
2

酵素の触媒としての特性(触媒効率と反応条件、特異性、安定性):酵素の触媒としての特性について、生体触媒としての触媒効率と反応条件、特異性や安定性について解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
3

酵素反応速度論(ミカエリス・メンテンの式、ラインウェーバー・バークプロット、反応速度定数):化学反応である酵素反応の特徴について、特に酵素濃度と基質濃度、酵素反応の関係について解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
4

酵素反応速度論(阻害、活性化、温度・pHと活性化エネルギー):化学反応である酵素反応の特徴について、特に酵素濃度と基質濃度、酵素反応の関係について解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
5

酵素活性の調節(アロステリック酵素の機能と生物学的意義):酵素活性の調節について、アロステリック酵素の機能と生物学的意義を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
6

酵素タンパク質の構造(酵素タンパク質の2,3,4次構造と機能発現):タンパク質からなる酵素本体の構造と機能発現について解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
7

酵素タンパク質の構造(酵素活性発現に関わるモチーフ、ドメイン構造):タンパク質からなる酵素本体の活性発現に関わる構造について解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
8

酵素触媒作用の分子機構(酸塩基触媒、求電子触媒、求核触媒):酵素触媒作用の分子機構について、酸塩基触媒、求電子触媒、求核触媒を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
9

酵素触媒作用の分子機構(近接・配向効果、溶媒効果、静電効果):酵素触媒作用の分子機構について、近接・配向効果、溶媒効果、静電効果を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
10

酵素触媒作用の分子機構(トリプシン、リゾチーム、リボヌクレアーゼ):酵素触媒作用の分子機構について、トリプシン、リゾチーム、リボヌクレアーゼを例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
11

補酵素(NAD・NADP、フラビン補酵素、チアミンピロリン酸、リポ酸):酵素の触媒作用における補酵素の役割について、NAD・NADP、フラビン補酵素、チアミンピロリン酸、リポ酸を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
12

補酵素(ピリドキサルリン酸、葉酸、パントテン酸、ビオチン):酵素の触媒作用における補酵素の役割について、ピリドキサルリン酸、葉酸、パントテン酸、ビオチンを例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
13

酵素遺伝子の発現調節と生合成(アミノ酸の活性化とtRNA、リボソーム上でのタンパク質合成反応):酵素タンパク質の生合成における酵素遺伝子の発現調節
について、原核生物の遺伝子発現調節を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
14

酵素遺伝子の発現調節と生合成(遺伝子の情報発現と調節、真核生物でのタンパク質合成反応の調節):):酵素タンパク質の生合成における酵素遺伝子の発現調節について、原核生物の遺伝子発現調節を例に解説する。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
15

これまでの学習内容の確認、持続可能な開発目標(SDGs)を含めた、酵素生産や酵素利用における社会貢献について考える。

授業のテーマに沿った教科書の該当ページを事前に通読しておくこと

240分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
酵素の特性と触媒機構に関する基本的知識を学び、理解することができる(A-1,2に対応)
授業内容に関する課題を出題する
酵素開発研究や工業生産技術開発方法などを理解できる(A-3に対応)
授業内容に関する課題を出題する
酵素開発研究や工業生産における課題の認識から問題解決に至るプロセスを考えることができる(A-4,5,8に対応)
授業内容に関する課題を出題する
成績評価基準・割合
授業内容の理解度を問う課題の出題(60%)(授業への参加・貢献度(20%),習熟度を測る課題(20%)による総合評価。
フィードバックの方法
授業時間内で講義に関する振り返りおよび課題に関する解説を行う。
教科書
教科書:ヴオート基礎生化学田宮信雄他訳、東京化学同人
参考書
参考書:新入門酵素化学、西沢一俊・志村憲助編、南江堂;ストライヤー生化学第4版、入村達郎他訳、東京化学同人
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/10
  • 終了期間

    2023/08/07
  • 開始時間

    • 16:30
  • 終了時間

    • 17:30
  • 曜日

  • 場所

    発酵化学研究室

備考

基本的に予約の必要なし
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • Google formを用いた振り返り学習
  • ICTを用いた授業
  • スマートホン、タブレット端末による課題作成と提出
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 微生物による酵素や物質生産、物質変換技術について教員の実務経験に基づいて解説する
備考