科目ナンバー
02D3104
科目名
バイオインフォマティクス
担当教員名・資格
中川 達功【教授】 荻原 淳【教授】 袴田 航【教授】
単位数
2
配当年次
3年生
必修・選択
選択
開講学期
前期
学科・クラス指定等
生命化学科のみ履修可能
履修条件
微生物学、酵素化学、生物有機化学、生命化学実験法Ⅲを履修していることが望ましい。
授業の概要
生命科学分野において核酸やタンパク質のデータ解析のためコンピューターを用いた統計的な処理と生命科学分野のビッグデータの利用が必要不可欠である。本講義では実際にコンピューターを使用し、核酸およびタンパク質の相同性検索方法の知識を身につけ、その理解のもとにそれらを検索できるようなる。さらに、公的データベースの利用方法を修得する。民間企業で研究員として実務経験を有する教員がコンピューターを用いた生命科学データー解析方法を指導する。厚生労働省で主任研究官として医薬品行政・開発に携わった教員が、医薬品開発おける生命情報の活用について指導する。
学びのキーワード
遺伝子、DNA塩基配列、酵素、系統分類、微生物、16SリボソームRNA遺伝子、アライメント、一致・不一致スコアリング、アミノ酸置換行列、ドットマトリックスアルゴリズム、ホモロジーモデリング、SDGs
授業の目的
生命科学分野におけるコンピューターを用いた核酸やタンパク質のデータ解析を実施できるようになるため、以下の項目を授業の目的とする。
分子系統分類学ソフトウエアMEGA10の実践的使用方法を習得する。
核酸の相同性検索に汎用される一致・不一致スコアリングの原理を理解する。
タンパク質の相同性検索に使用されるアミノ酸置換行列をもちいたドットマトリックス法によるアルゴリズムの基礎を理解する。
タンパク質の一次構造および三次元構造の相同性検索の方法とその評価方法を習得する。
NCBI、LSDB等のWebサービスの利用方法とその活用方法を習得する。
授業方法
すべての講義を対面式で実施し、重要事項や誤って理解し易い項目はポイントをPCを用いて詳述する。講義で実施する各種Web サービスやそれらに関連する操作は各自でコンピュータを用いて実際に操作し、その結果を教員が評価し理解をはかる。
学修を通じて育成する力(DPとCPとの対応関係)
DP・CP1

知識・教養・倫理観

DP・CP2

世界情勢の理解

DP・CP3

論理的・批判的思考力

DP・CP4

問題発見・解決力

DP・CP5

挑戦力

DP・CP6

コミュニケーション

DP・CP7

リーダーシップ・協働力

DP・CP8

省察力

到達目標
  • 分子系統分類学ソフトウエアMEGA10の実践的使用方法を習得し実施できるようになる。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
  • 核酸の相同性検索とタンパク質の相同性検索の原理的違いおよびタンパク質の一次構造および三次元構造の相同性検索方法を習得し実施できるようになる。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
  • NCBI、LSDB等のWebサービスの利用方法とその活用方法を習得する。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
授業計画
回数 授業内容 授業時間外学習
(準備学習・復習)の内容
時間外学習時間数の目安(分)
1

バイオインフォマティクスの歴史と全貌
さらに、本講義がSustainable Development Goals(持続可能な開発目標、SDGs)を理解するために重要な学問の1つであることを説明する。Molecular Evolutionary Genetics Analysis (MEGA11) のインストール(中川)

宿題としてMolecular Evolutionary Genetics Analysis (MEGA11) ソフトウェアーの使用して下さい。

220分
2

MEGA11ソフトウェアーを利用したDNA塩基配列 (16S rRNA遺伝子) の収集と蓄積(中川)

予習としてNCBI上の遺伝子情報の見方を学んでおくこと。
宿題としてMEGA11を使用すること。

230分
3

MEGA11ソフトウェアーを利用した対にしたDNA塩基配列 (16S rRNA遺伝子) のアライメント(中川

予習として配布動画を視聴しておくこと。
宿題としてMEGA11を使用すること。

230分
4

MEGA11ソフトウェアーを利用したシークエンサーから得られた波形データー処理(中川)

予習として配布動画を視聴しておくこと。
宿題としてMEGA11を使用すること。

230分
5

MEGA11ソフトウェアーを利用した細菌DNA塩基配列 (16S rRNA遺伝子) の多重配列アライメントと16S rRNA遺伝子情報に基づく細菌の系統樹の作成(中川)

予習として配布動画を視聴しておくこと。
宿題としてMEGA11を使用すること。

230分
6

MEGA11ソフトウェアーを利用した公共遺伝子データバンクからの機能遺伝子の収集、DNA塩基配列からアミノ酸配列への翻訳とアミノ酸配列に基づく系統樹の作成(中川)

予習として配布動画を視聴しておくこと。
宿題としてMEGA11を使用すること。

300分
7

核酸の相同性検索アルゴリズム(袴田)
核酸は必ずA-T および G-Cのペアを形成するため、その相同性検索を行う際は塩基の一致・不一致およびギャップが相同性評価の対象となることを概説する。

予習として、ペアワイズアライメントを調べておくこと。復習として、小テストの内容をまとめておくこと。

220分
8

タンパク質の相同性検索アルゴリズム(アミノ酸置換行列)(袴田)
タンパク質は核酸とは異なり20種類の側鎖を有するため、その相同性検索を行う際は側鎖の化学構造に基づいたアミノ酸置換行列が相同性評価に必須となることを概説する。

予習として、アミノ酸置換行列を調べておくこと。復習として、小テストの内容をまとめておくこと。

220分
9

タンパク質の相同性検索アルゴリズム(ドットマトリックス法)(袴田)
アミノ酸置換行列を用いたタンパク質は相同性検索において基礎的なドットマトリックス法について概説する。また、スミス-ウォーターマンアルゴリズムをヒューリスティックに改変したBLASTアルゴリズムについても講義する。

予習として、ドットマトリックス法を調べておくこと。復習として、小テストの内容をまとめておくこと。

220分
10

タンパク質の三次元構造に基づく相同性検索と予測三次元構造の構築(袴田)
Webサービスを用いたタンパク質の一次構造の相同性検索法について概説し、その結果を基にタンパク質の三次構造の相同性検索法について概説する。さらに得られた検索結果を活用してタンパク質の三次元構造予測を実施し、解説する。

予習として、タンパク質の立体構造とその予測方法について調べておくこと。復習として、小テストの内容をまとめておくこと。

300分
11

データベースからのモデル生物等のゲノム情報の抽出(荻原)
NCBI、DDBJ、EMBL等のデーターベースサイトから対象生物のゲノム情報を検索・抽出する方法について確認・解説する。

予習としてデータベースサイトを調べておくこと。
復習としてゲノム情報の抽出をすること。

225分
12

データベースからのモデル生物等のゲノム情報の抽出(荻原)
NCBI、DDBJ、EMBL等のデーターベースサイトから対象生物のゲノム情報を検索・抽出する方法について確認・解説する。CDS Search、開始コドンの確認などについても解説する。

予習としてNCBIデータベースサイトを調べておくこと。
復習として各自用いたゲノム情報を同様に確認すること。

225分
13

抽出したゲノム配列情報の解析(荻原)
NCBI、DDBJ、EMBL等のデーターベースサイトから得られた対象生物のゲノム配列情報を、PCR反応等の手法を用いて獲得することを目的として、配列情報の解析手法について確認・解説する。

予習としてNCBIデータベースサイトを調べておくこと。
復習として各自用いたゲノム情報を同様に確認すること。

225分
14

BLAST解析による配列情報の確認(荻原)
NCBIのBLASTサービスを用いて、抽出した対象核酸配列情報の詳細を解析しプライマーの設定領域など確認する方法について解説する。

予習としてNCBIデータベースサイトを調べておくこと。
復習として各自用いたゲノム情報を同様に確認し、BLAST検索すること。

225分
15

対象生物ゲノム配列情報からのPCR法による目的遺伝子の獲得(荻原)
前回までの講義内容を踏まえてPrimer3などのWebサービスを用いて、対象生物ゲノム配列情報からPCR法による目的遺伝子の獲得する方法について確認・解説する。

予習として各自用いたゲノム情報を確認し、BLAST検索すること。
復習として対象生物ゲノム配列情報からPCR法による目的遺伝子の獲得する方法について確認すること。

300分
到達目標と成績評価方法の対応
到達目標(再掲) 成績評価方法
分子系統分類学ソフトウエアMEGA10の実践的使用方法を習得し実施できるようになる。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
提出物の内容、レポート
核酸の相同性検索とタンパク質の相同性検索の原理的違いおよびタンパク質の一次構造および三次元構造の相同性検索方法を習得し実施できるようになる。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
講義内の小テストにおいて理解度を測定し、PCを用いた実地試験により検索技術を測定する。
NCBI、LSDB等のWebサービスの利用方法とその活用方法を習得する。さらに、ライフサイエンスに関する英語及び日本語で記述された様々な情報を検索し、他者の意見を正確に理解し、自分の考えを伝えることができる。
筆記試験
成績評価基準・割合
中川(100点の3分の1):講義への参加・貢献度(80%)レポート(20%), 袴田(100点の3分の1):授業内試験 (50%)・PCを用いた実地試験 (50%), 荻原(100点の3分の1):授業内試験 (100%)
Webサービスによる対象生物の目的核酸、タンパク質配列情報、立体構造の評価が理解できており、技術の習得が確認できれば合格(60点以上)
フィードバックの方法
講義内小テストを実施し、解答を解説する。
授業内課題に対してGoogle Classroomによる講義理解度チェックを実施し、修正が必要な箇所の指導を行う。
レポートをコメント付きで返却し、理解度を高める。
実習中の要所において、操作方法の振り返りとまとめを実施する。
教科書
改訂第2版 バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法 ― 遺伝子の配列・機能解析、タンパク質解析、プロテオミクス、文献検索、検索エンジン…etc.真に役立つサイトを使い倒す!
参考書
バイオインフォマティクス入門 日本バイオインフォマティクス学会編
Dr. Bonoの生命科学データ解析
参考ホームページ:生命科学系DB・ツール使い倒し系チャンネルhttp://togotv.dbcls.jp
オフィスアワー
  • 開始期間

    2023/04/01
  • 終了期間

    2023/08/12
  • 開始時間

    • 13:00
  • 終了時間

    • 18:00
  • 曜日

  • 場所

    講義室、研究室、およびGoogle Classroomを使用して質問を受け付けます。

備考

Google Classroomを使用して質問を受け付けます。
科目の特徴
  • アクティブ・ラーニングを用いた授業
  • 双方向PCの使用による双方向型の講義を実施する
  • 情報リテラシー教育を含む授業
  • 生命科学公共データベースの利用
  • ICTを用いた授業
  • 各自のコンピューターにおける双方向型PC、およびGoogle Classroomによる講義理解度チェックを実施する
  • 実務経験のある教員による実践的授業
  • 本講義の約3割は厚生労働省で主任研究官として医薬品行政・開発に携わった教員が、医薬品開発おける生命情報の活用について講義する。
備考